ラーメン屋でバイトを始めた照代(黒川智花)は、佐々良日報の記者と名乗る伊勢崎(東根作寿英)と知り合う。テレパスを標榜する伊勢崎は、真夜中にサヤ(木村多江)の息子・祐介(関根航)が熱を出したタイミングでやって来たため、サヤは彼の車に乗って病院へと赴く。しかし、向かった病院は久代(草笛光子)が紹介したところではなかった――実は伊勢崎は、祐介を欲するサヤの義父が雇った男だったのだ。照代たち笹乃館の面々は、祐介が入院させられた病院を探し出そうとする。そしてサヤはこの一件で、亡き夫の幽霊に頼らないことを決めた……
新聞欄に掲載されたサブタイトルは“ささら さや”。本編のもうひとつの原作である、サヤのエピソードの完結編という意思表示と捉えましたが、その通りでした。ちゃんと『ささら さや』のクライマックスを見事に盛り込んで、綺麗に締めくくってくれました。別れの場に照代が立ち会う、という潤色も違和感なく物語に嵌っている。他人のために泣くことが出来るなんて、本当に随分成長しましたこの娘は。
出来れば伊勢崎というキャラクターをもう少し活かして欲しかった気はしますが、あとはほぼ文句なし。さあ、残すところあと少し。
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