- 田植地蔵
代掻きの時期に、馬の鼻取りをする息子が怪我をしてしまった。父親のたごさくはひとりで大丈夫だ、と息子には大きなことを言ってみせたが、現実には容易ではない。頭を悩ませていたところに、見知らぬ小僧が現れて、自分が手伝うと言った。
そもそもなんで地蔵さまはたごさくを助けたのか。助けることにかこつけて、田植の効率的なやり方を村の衆に教えるのがそもそもの目的だったように見えます。そう考えるとちょっと不思議な話。『まんが日本昔ばなし』にしては珍しく、くっきりとした影をつけた作画が新鮮です。……新鮮いうのも変ですが。
- 狐とタニシ
足の速い狐がいた。盗みを働いたりして自堕落に暮らしていた狐だが、川岸に暮らすタニシに対しては常に見栄を張って「都に行ってきた」と言い張っている。ある日、どちらが先に都にたどり着けるか競争しよう、ということになって……
ウサギとカメの応用編。オチは読めますが、闇雲に力を誇示するのではなくちゃんと知恵も使いましょう、ということで。だが卵や魚は獲物なのにタニシは話し相手という狐もちょっと凄くないか。
いやもっと凄いのは狐のデザインか。何と言ったらいいんだろう、フライングVに顔を描いたような――とにかく狐には見えないのにちゃんと狐と解る、というのはどういうセンスなのか。
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