本格ミステリ作家クラブ10周年記念企画『美女と探偵』/『三本指の男』トークイベント付上映。

 いよいよ初日です。毎週末に開催されるトークイベントには毎回芦辺拓氏が登壇される予定なので、これを中心に押さえるつもりでいた私は、まず初日は取り漏らすまいと、イベントは夕方の最終回開催であるにも拘わらず、チケット確保のため朝から神保町シアターへ。

 ……既にけっこう並んでいた。

 チケット販売開始となる10時ちょっと前に到着したのですが、私が獲得した整理番号は11番。似たようなことを考える人がいたのかどうなのか、初日は毎回盛況で、ほとんどの回が満席になったそうです。当然のように、夕方ふたたび劇場に赴くと、見事に完売しておりました。

 まずは上映から。作品は、かの片岡千恵蔵が背広姿で演じた金田一耕助の第1作目、新婚初夜に巻き起こった惨劇を描いた傑作『本陣殺人事件』を原作とする『三本指の男』(東映配給)。色々と伝説の残る作品なので、イベント抜きでも観たかった1本でしたが……想像以上に凄まじい作品でした。時節柄、というだけでなく、当時だからこその趣向の数々に圧倒されました。詳しくは明日、朝のうちに感想をアップします。順番が変わりますが構うものか。この衝撃を出来るだけたくさんの人に味わってもらうために私は回し者に徹するのだ!

 ……映画の興奮冷めやらぬうちに、トークイベントへ。毎週登壇の芦辺拓氏に加え、本日は唐沢俊一氏が登場。今回の『美女と探偵』のセレクトに両氏が関わられた縁なのだそうです。

 どちらも多弁な方故、いつも用いている映画用のメモ帳に、小さい字で3ページぎっしり書いてしまいましたが……生憎、映画のオチを明かす話が中心なので、ここには詳しくは書けません。しかし、観たあと好事家ならば語りたくなる映画であるのは確か。時代背景などを考慮すると必然的で、とても興味深い内容であるのが解りました。

 イベント終盤では、今後のラインナップのお薦め。中尾彬によるジーパン姿の金田一が登場する『本陣殺人事件』や高木彬光『誘拐』、原作に忠実なれど明るくしようとして失敗しているのが愛嬌の仁木悦子『猫は知っていた』、翻訳ミステリをもとにした『わたしを深く埋めて』に、私も試写で拝見した『乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件』などが挙げられましたが、いずれも他のところではなかなかお目にかかれない珍品ばかり。公式サイトにてラインナップ、スケジュールをご確認のうえ、気になるもの、都合のつく時間帯の作品がありましたら、是非とも劇場まで駆けつけてみてください。とりあえず私はトークイベント制覇+毎週あと1本を目指そうと思います。

 ……今月いったい何本観ることになるんだ私は。

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