『クロサギ』#11

 過去の被害者から告発を引き出すことが出来た神志名刑事(哀川翔)が、遂に黒崎(山下智久)に王手をかけた。経営しているアパートから姿を眩ました黒崎の身を案じながら何も出来ない氷柱(堀北真希)は桂木(山崎努)にその行方を訪ねるが、桂木が示したのは黒崎の仇である詐欺師・御木本(岸部シロー)の居場所――そうとも知らず、黒崎は神志名の追跡を躱して、幹本の配下にいる春日(萩原聖人)を罠にかける……

 むにゃー。ドラマの構成に失敗した結果は最後まであとを引きました。黒崎の復讐心や氷柱との交流などに尺を割いた結果、もー完璧に詐欺師を嵌める知能犯、という根幹がグズグズになってしまいました。クライマックスなのに、何あのだらけた嵌め方は。何あの無思慮な追い込みは。何あの不用意な突入は。何あの情けない終盤は。

 ただまあ、終盤でどういう方向を示したかったのかは理解できるし、狙いは間違いではなかったと思う。しかしそれが効果を備えるには黒崎の能力も詐欺の描き込みも甘すぎるし、恋愛感情を交えるうえでの覚悟も浅かった。けっきょく最後までまともに気を吐いていたのは山崎努ひとりだった、という趣です。堀北真希も、贔屓目で見てしまうせいで最後のダブルミーニングの台詞が非常に利いているように私には見えましたが、……まあそこは引いて聞いといてくれ。

 結論として、色々いい要素はあったのですが、ドラマ独自のアレンジと思しいところが大半失敗してぎこちなくなってしまった作品というところでした。素材は悪くなかったんだけどねー。

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