愛した男の忘れ形見であるミキが居場所を得たことを悟り、自らの身の置き所を見失ってしまったジョイ・ロウ。そんな彼女を慰めたのは、香瑩のなかにいる香だった。香は、彼女が必要とするなら、獠に縋るといい、と諭す。ひと晩彷徨ったジョイ・ロウは香の言葉に従おうとするが……
全体に崩れがちでも、しっかりとした線を保とうとした作画にはちょっと好感を抱きました。時々目を瞠るくらいいい絵もありましたし、このところ恒例だったロング・ショットでの全体像の崩れも少なかったし。
内容のほうは、ミキとジョイ・ロウの話の総まとめ。ジョイ・ロウの過去への思いと執着とをひとまず清算させ、そこに獠と香の絆を絡めて大人な感じにまとめ上げてます。『シティーハンター』のころの軽さは無理でも、香瑩たちの設定を廻していくだけでこういう話が幾つでも作れるのが本シリーズの美点と言えましょうか。そうしてとりあえず話が楽しめるので、作画の粗も堪えて鑑賞を継続できるわけで。
……でも、あともうちょっと底上げしてくれると、より安心できるのですけれど。もう無理だろうなあ。
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