危うく連れ帰ってしまうところでした。

　夕方、飲み物を買いに近所を歩いていたとき、どこからともなく猫の鳴き声がしたのです。見てみれば、うちの娘達とそんなに変わりないサイズの、真っ白に大きな斑が幾つか乗っかったような模様の猫が鳴いている。

　うちの近所にいる猫は、餌は貰うくせに絶対に触らせないのと、撫でようが何をしようが知らん顔しているかのどちらかが基本なのですが、こいつは撫でるとすり寄ってくるし、手にはじゃれつくし、挙句は抱き上げても抵抗しない。買い物途中であることも忘れて延々構っておりました。

　で、折角なので買い換えたばかりの携帯電話で撮影してみるのですが、まだ機能が把握できておらず、暗いところではいまいち綺麗に撮れない。しかもこの子やたらと動きが速く、携帯電話のカメラ機能に特有のタイムラグのあいだにポーズが変わってしまうのでなかなかいい絵にならないのです。何枚か撮ったなかで、この２枚がいちばんまともでした。おさんぽの時の常で、携帯電話で音楽を聴きながらだったため、垂れていたケーブルにじゃれつかれました。

　あまりにも無防備すぎて、ほっといたら車に撥ねられそうな気もします。えらい後ろ髪引かれる気分を味わいながら、適当に切り上げて帰宅。まあ、あれだけ愛想が良ければ、そのへんの猫好きの人達にいくらでも世話してもらえるはずですから、心配の必要はなさそうなんですけどね。