『鉄板少女アカネ!!』第6話

 心太(塚本高史)に振られた痛手を負いながらも、父鉄馬の痕跡を追うアカネ(堀北真希)が続いて訪れたのは信州。黒金(陣内孝則)に唆されて松茸狩りに山に侵入したアカネだが、すぐさま山の持ち主である泰子(浅香光代)に見つかってしまう。ふたりを泥棒と早合点した泰子は警察に突き出そうと言い張るが、その途端に泰子は倒れてしまった……

 ――あ、あなたは銭形シリーズに出てくる佐藤公安(佐藤二朗)ではあーりませんか。思わぬ2ショットに一瞬興奮しました。

 何か作品本来の志向とは別の流れで盛り上げすぎてはいませんか。ごく唐突に心太*1が舞い戻り、その言い訳の見苦しさに憤り、彼に頼ることなく勝負に挑もうとして煩悶する――まあ、ドラマとしてはいいのですが、相変わらずギャグにしたいのかシリアスにしたいのか解らず、本来の流れにも馴染まない。だいたいこのドラマは少し登場人物を馬鹿に描きすぎです。いくら裏があると言っても、心太のような言い訳に相手が憤らないはずがないし、その言動の齎す影響に無頓着ではあまりに心太が駄目すぎる。その雑な描き方にとことん苛々します。そしてそんなところに拘るくらいならドラマ本来の料理という視点に戻ってくれー。

 ……まあ、いいタイミングで黒金さんが介入してちゃんとお約束のギャグになりましたから、その意味では多少バランスは取れましたが。もともと基本理念にぐらつきがあるので、そうしたギャグを楽しもうにも、観ていて不安ばかり感じさせられるのです。それが困る。

 バランス云々の視点を抜きにしても、まだ6話しか経過していないところで心太との話を進展させる必要があったのかも個人的には疑問です。やっぱり作品の主題からしたらもっと食や料理対決に主眼を置くべきで、心太との成り行きは最後まで曖昧なぐらいで良かったように思います。

 ともかく、そんな感じで心太をあまりに前に出しすぎた結果、鉄馬探しとか料理対決とかがすっかり脇に追いやられてしまい、シリーズとして見せ場にするべきだった決め台詞や定番の流れがあらかた霞んでしまったのも問題。トータルでどうしたいのかもう何がなんだか。毎度ながら、普段よりも恋愛寄りの話運びで戸惑う少女を演じる堀北真希の新鮮さぐらいしか楽しむところがありませんでした――あ、いや、最近はむしろエレナのほうが観ていて楽しかったりするのですが。

 とは言うものの、今回、勝負の締め括りは良かった。浅香光代の貫禄に委ねている感はありますが、その発言に充分説得力があった。本来の主題にも添っていますし、陳腐なりにいい結末だったと思います。それ故に中盤お座なりにされていたのが残念。

 どうでもいいですが、信州に限らず、山の中は携帯電話は通じづらいです。持っておいて損はないにしても、必ずしも使えるとは限らない。そんな、持っていなかったからってアカネを責めないように心太くん。

*1:前に一回“ところてん野郎”と書きましたが、実は今でも“しんた”と打たずに“ところてん”と打って変換してます。そのほうが早いんだもん。

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