『地獄少女 二籠』第十二話 黒の轍

 山中に敷設された新道は、峠近くの家が一軒、立ち退きを強硬に拒んだばかりに歪な構造となり、それが原因で最近も事故が発生している。家に住んでいるのは年老いたひとりの老人だけ。そのことに、苛立ちを禁じ得ない人々がいた……

 トラックの外から乗員に向かって未開封の缶を投げるのは止めましょう。フロントガラスに当たったらどうすんだおい。

 今回、動機の設定は良かったのですが、しかし話運びはどうもモタモタしていたし、締め括りも曖昧でインパクトに欠きました。堅実で纏まっている、とも言えるのですが、しかしあんな場所に家や集落が出来るものか、あんなにまわりに土地が余っているのに敢えてあの家を避けて変な道路状況にしてしまうよりは整理することを考えなかった自治体のほうが罪は重くないか、とか細かな疑問があるのも相変わらずです。

 ただ、前回に引き続き、三藁の存在意義がちゃんと用意されていた話なので、その意味ではシリーズ中の異色の一篇として価値があります。OPでは描写されながら本編ではまったく見せていなかった輪入道の怪力も、初めてまともに駆使されていましたし。

 問題は色々とありますが、これも個人的にはけっこう好きな話だったかも知れません。少なくとも第一期のエピソードよりずっとましになっているのは確か。

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