2日連続の映画鑑賞、そしてよーやく年間100本目の劇場での映画鑑賞、達成。
訪れたのは、約ひと月半ぶりとなる有楽町――通ってはいるんですが、劇場に立ち寄るのはそのくらい間隔が空いてしまいました。鑑賞したのは、藤沢周平原作・山田洋次監督による時代劇三部作完結編となる、木村拓哉が復讐に燃える盲目の武士を演じた『武士の一分』(松竹・配給)。実は公開初日に観るつもりでチケットまで確保してあったのに、前夜ピークに達した体調不良のために断念、そのときから100本目の節目に観るつもりでとっておいたのです。毀誉褒貶かまびすしい本編ですが、しかし私の目には藤沢×山田作品のひとまずの掉尾を飾るに相応しい傑作でした。随所に趣の違う部分はありますがそれは当たり前のこと、短篇一本を丁寧に膨らませて、細やかに積み重ねていった描写の齎す静かなカタルシスがいい。繰り返し鑑賞する甲斐のある仕上がりになっているのも嬉しいところです。2年前にも『隠し剣 鬼の爪』を100本目の節目に選んで観ましたが、今回もそうして正解でした。もしかしたら年内はこれを最後にする可能性があるので、締め括りとしても綺麗かも――まだ解りませんけど。何はともあれ詳しい感想は、「板東三津五郎さんに汚名返上の機会はないのだろうか。」からどうぞ。『たそがれ清兵衛』で真田広之演じる清兵衛と対決する田中泯は『〜鬼の爪』で、『〜鬼の爪』で憎まれ役となった緒形拳は本編で、それぞれ主人公の剣の師として再登場して汚名を雪いでいるのです。故に、藤沢×山田の新作があるならば、次は板東三津五郎の番のはずなんですが……もうない? ほんとに?
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