ブラボーとの決戦に敗北し、カズキは海底深く沈んだ――だが、“黒い核鉄”の力が彼の命を繋ぐ。しかし生きていると判明すれば、カズキはふたたび錬金戦団によって殺される。そんな彼を救うために桜花が動き、パピヨンが反応し、斗貴子は一緒に行動することを決意する。「君と私は一心同体だ」その宣言を偶然聞いてしまった剛太は、絶望から彼女を離れるが……
まいどまいど言ってますが、本当に詰め込み放題だなー。前半でカズキ復活と剛太のあんまりな失恋から戦団に反旗を翻すまでを描き、後半ではこの中身でコメディまでちゃんと取り込んでいる。実際、もうシリーズ完結まであまり尺がないはずなので、そろそろスパートにかからねばならないのも事実でしょうが、しかし早い。
実のところ初めて斗貴子さんがカズキに対する想いを口にしたわけで、本当のターニング・ポイントだったりするはずなのですが、今回に限り主役は不幸フラグが炸裂した剛太でした。微妙に未練がましくも、でもその一途さがかなりいい奴であるだけに、余計に不幸さが際立つ。そしてそれに二人して気づかない斗貴子さんもカズキも実に罪深い。いい話だ。
他方、LXE篇にて下っ端扱いだったパピヨンと桜花が遂に本来の持ち味を発揮している点でも今回は意味が深い。原作でも秀逸だったふたりのやり取りを完璧に、妖しく魅力的に描いてくれたあたり、やはりこのスタッフはよく解ってます。
次回は斗貴子さんがカズキと出逢う直前に赴いた任地に戻り、“黒い核鉄”の正体を探るくだり。クライマックスに必要な尺を考えると、このあたりでアニメ版最大の圧縮を加える必要があるはずで――恐ろしい量の新キャラが登場しそうです。どの程度うまく整理してくれるかが鍵。
余談。この作品は事前にリリースされたドラマCDと同一の声優で制作されてます。イメージが一致しているのでもう何ら文句はなかったのですが、気になっていたのは火渡。担当する関智一はLXEで数少ないメイン・パーソンだったムーンフェイスも演じていて、ドラマCDで聴いたときはあまり差別化が出来ていないように思えたのですが、いざ絵がつくとあら不思議、まったく違和感はありませんでした。ちゃんと演じ分けているうえに、絵に意識が行くので声質の一致によってイメージが被るのをうまく防げているようです。
コメント