草薙という救いを見出したことで、少しだけ気持ちを落ち着かせているスミレ。そんな矢先に現れた新たな依頼人は、月夜という幼い女の子。仲の良かった双子の兄・陽司がヴァイアラスに襲われたのを契機に閉じこもってしまい、家族の理解も得られぬままになっているのを助けて欲しい、というのだ……
プロローグが非常によく描かれていると思ったら、本編に入ると途端に崩壊傾向。カメラワークとかに意欲は感じられるんですが、明らかに作画の能力が追いついてません。勿体ない。ここに限らず、チョコをくわえたままのローラが普通に喋っていたり、肝心のところで陳腐な演出をして白けさせたり、どうもバランスが良くありません。うーん。
内容自体も、モチーフは悪くないんですが、ヴァイアラスの行動原理が意味不明でいまいち腑に落ちない。ヴァイアラスの被害者の想いはちょっと感動を誘いますが、何故あれが可能だったのか、と考えていくとうまく話に嵌りません。
最後にルチアが人間性を覗かせる箇所の演出、表現にも、ああいう商品陳列の仕方で“Sold Out”という札を用意する必要はないだろうとか、ローラが茶々を入れるタイミングが微妙だったりとか、随所が拙い。主題やモチーフそのものは悪くないと思うんだけどなー。
あともうひとつ、このシリーズはサブタイトルがいまいち良くない。初回『アオイ サソイ』はともかく、前回『イケイ セカイ』は微妙、今回に至っては無理がありすぎる。どうやら『○○イ ○○イ』で縛りにしようとしているようですが、あっさりと躓くようならせいぜい『○○○ ○○イ』とか『○○イ ○○○』ぐらいにしておけばいいのに。
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