薬種問屋に用心棒代わりに派遣された宰蔵と元閥は、妖夷の襲撃を受ける。いったん退けたが、妖夷を目撃したふたりに他の用心棒が食わせたのは、その妖夷の肉であった。いちど食ったら遠ざけられない妖夷の肉を使い彼らを虜にした、と早合点した薬種問屋の主が語ったのは、まつろわぬ民の地位を恢復する計画であり、その本当の標的は――鳥居耀蔵。
前回はえらい散漫でしたが、それを引き受けて今回は非常に流れが掴みやすい。相変わらず、妖夷が出て来てからの展開が抽象的で見せ場として成立しにくい欠点はありますが、新しいエピソードを波に乗せる手管はだいぶこなれてきた感じ。やっと大きな心配をせずに観られる段階に入ってきたか。
主要キャラが多いので、誰かに焦点が当たると一部がえらいワリを食うのも習いとなってますが、ちかごろはそういう“脇役”にも色気を見せる場面を用意しているのが好ましいです。今回のシリーズなど、日本に昔からいた“異人”がテーマであるため、まるっきり外側から訪れたアトルは出番が皆無でも仕方なかったのですけれど、ちゃんと妙なひと幕が用意してあったり。だが、アトルはともかく、宰蔵はどんどんマスコットっぽくなっているのはどうなんだろう。巫女的な役割を果たす場面が減りすぎてないか？ これはこれで可愛いのも事実ですが。
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