『ゴーストハント』File8 呪いの家#4

 一夜にまたがる襲撃のなか、どうにか持ち堪えた一同だが、もうひと晩続けばさすがに持ちそうもない。すっかり消耗しきった法生やジョンに代わって、綾子が初めて本領を発揮する。条件が揃ったことで霊の浄化に成功はしたが、しかし綾子は、それらの霊を使役した本当の敵は倒せていない、と言う。最後の対処を考えようとした矢先に――遂に、ナルが覚醒した。

 シリーズ完結編。今度はEDまで潰して目一杯尺を使ってます。これまでも比較的安定した作画・演出の質を保っていましたが、最終回に来て第1話に匹敵するレベルに戻してきたのも好感を覚えます。

 ただ、漫画がここまでしか進んでいないからとはいえ、序盤の展開はなんだか綾子が最終兵器のように見えてしまっているのは構成として微妙。後半においてナルの背景がほぼ明らかにされ、そこできちんと美味しいところをさらっていくのは正しいのですが、そこだけは微妙に引っかかりました。……まあ、これまで道化役に甘んじてきた綾子の唯一の見せ場でしたから、そのくらいでいいのか?

 第1シリーズとは異なり、論理性は保ちつつも怪奇大作戦じみた話運びに相応しい迫力のクライマックスも秀逸。ただ贅沢を言えば、少しあの屋敷のその後を描いて、決着を強めても良かったのでは、と思いますが、それはさすがに注文がきついでしょう。

 半年間、堪能させていただきました。いやーやっぱり腰の入ったオカルトものはいいねえ。

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