カズキの果たせなかった決着を、とパピヨン討伐に赴いた斗貴子だったが、そのパピヨンが未だカズキの命を諦めず、彼を人間に戻すための『白い核鉄』精製を成し遂げていた。改めてカズキの存在の大きさを認識した斗貴子の前で、月から不意に、山吹色の鮮烈な光が放たれた――それは、カズキの武装錬金が放つ閃光。彼の生存を確信した錬金戦団は、斗貴子を伴い、月へと向かう――!
もーちょっと余裕があるかと思えば、やっぱり高密度だった大団円。作者がそこまで計算していたのかは謎ですが、特殊すぎる武装錬金の特性を巧みに有効活用して、常人なら辿り着くだけで何年もかかるであろう道程を短縮、月にいるカズキのそばまで導いてしまいました。
そして後半は、主にパピヨン=蝶野との再戦に照準を合わせての展開。“燃えるアニメ”らしく、傑出した主題歌を背景にしての戦闘は、ちょっと戦い方が泥臭かったのが引っかかりましたが、それでも充分力強く清々しい。最後まで主義を貫き通したカズキがすべてをねじ伏せての決着は、やもすると偽善に見えてしまう――最初からパピヨンの台詞が裏打ちしていたことながら、そこにきっちり決着をつけた原作の意図も、より鮮明に描き出した。パピヨン最後の見せ場も爽快で、文句なし。
演出・作画面でも、ちゃんと最終回ならではのスペックを終始保っていて、もともと不満の少ないシリーズでしたが、素晴らしい有終の美を飾ってくれました。
でもやっぱり『アフター』は入らないなあ、とちょっと寂しく思っていたら、激しく訴え続けたのが届いたのかどうなのか、スタッフロールの後ろという窮屈な場所ではありましたが、なるべく期待に応えようとしたその姿勢が嬉しい。ちょっとは動いてもいましたし、最初のED背景とのリンクまで見せてくれたのですから。
改めて、拍手。DVDはきっちり最終巻まで追いかけようと思います。……『アフター』完全版収録に微かな望みを繋いで。だってさあ、いちおう描いてはくれたけどさあ、いちばんのキモだった“毒島華花は実は美少女”というネタがあっさり扱われていたのがなあー!
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