『地獄少女 二籠』第二十六話 あいぞめ

 愛する兄を流された少女・蛍が地獄通信に地獄送りを依頼したその対象者は――拓真。連鎖を断ちきる最後の手段として、苦渋の決断だったのだ。だが、それを妨げたのは地獄少女である閻魔あい自身だった。自分の記憶を拓真に重ねてしまったあいは拓真を現世に戻し、彼女はその代償を支払うことになる。そして、拓真を中心とした湖畔の街の悪夢もまだ、決着を見ていなかった……

 予想とは違ってましたが、締め括りとしては存外、悪くありませんでした。前提として、湖畔の街を巡る展開が強引すぎること、そしてそれにオーバーラップさせる閻魔あいの過去に説得力が乏しいことを考えるとやっぱり無理が感じられるんですが、とにかく出してしまったものを否定するのではなく、踏まえた上でラストを飾ろうとした姿勢は間違ってない。

 街の人々の作画は最後まで雑なまんまでしたが、閻魔あいを美しく描こうとする姿勢は相変わらず徹底していましたし、凡庸ですがそのラストを飾るために雪を降らせたのも正解。

 でも、あのタイミングで住人たちが手を止めるのはやっぱり少し不自然ですし、何より二籠でずっと引っ張ってきたきくりの正体に面白みがまったくないのは残念。悪い方に想像しにくい設定ではないですかあれは。けっきょくあの娘はこの半年、何の為に出没していたのだ。

 とまあ、想像通り不満も多々出て来ましたが、しかしトータルで見れば第一期よりよほど色々な部分でまともになったと思います。高評価をつけられるエピソードも幾つかありましたし、とりあえず満足。色々な意味で楽しませていただきました。

コメント

  1. 冬野 より:

    無理してオチつけず、最後までいつもの地獄コントにしておけば良かったのにと。

  2. tuckf より:

    私もそれは思います。ていうか一時期噂になっていた映画化って、この終わり方では絶対的に無理なような……って、過去に戻せばいいのか。

  3. 冬野 より:

    もしくは三藁のいないパラレルワールドの閻魔あいの話にすれば、映画も第三シリーズでも問題無しかと。どうせ整合性なんて気にしてないでしょうし。

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