『英國戀物語エマ 第二幕』第六章 成功と喪失

 いったいどんな巡り合わせか、婚約発表のパーティの場で再会してしまったエマとウィリアム。ウィリアムは改めてエマへの思いを再認識し、彼女を連れてきた母・オーレリア=トロロープ夫人のもとを訪れる。だがエマは、彼に行き先を伝えないで欲しい、と言い置いて、本来の勤め先へ帰ったあとだった。失意のウィリアムに、母は自らとウィリアムの父・リチャードとの馴れ初めを語る……

 階級や家格の差に敏感な社交界の毒に犯された母・オーレリアと、そこで生き長らえる道を選んだ父・リチャードの姿に、エマとウィリアムの苦境とを重ね合わせる1話。貴族と使用人、という極端ですが解り易い階級差のあるふたりと違い、むしろ立場的には社交界にいることを許されているからこそ、社交界の怖さというものがよく描かれています。

 そして再会を境にして、心理描写もいよいよ繊細さを増しています。エマをメインにしつつ、さり気なく挿入されるウィリアムやエレノアの姿が印象に残ります。しかもそういう胆となる場面はきちんと丁寧に作画しているのも好感触。

 で、来週あたりからふたたび舞台はロンドンへ。個人的には次の“再会”の場面が楽しみなのですが、あと何回くらいだ?

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