『エル・カザド』第9話 掘る女

 弾薬が尽き、迷い込んだ街で水とガソリンを捜している途中、涸れ井戸に落ちたナディとエリスは、地下の世界で銀を掘り続けるイリスという女と遭遇する。追っ手を避ける目的もあって、ふたりはイリスをしばらく手伝うことにするが……

 このシリーズ、どうも妙なユーモアのほうが色濃くなっている気がします。最初の2話ぐらいはまだスタイリッシュなアクションを志向しているように感じたんですが、いまはメキシカン・ガン・アクションのモチーフを使って、屈折したユーモアを発揮するのが主題になってるような。いや、本当に個人的には嫌いではないのですが。

 今回も、亡き父の遺言通りに生きつづける女の姿を描いて、エリスの感情を刺激するという主題はきっちりと見てとれるのですが、問題のゲスト・イリスの言動がいちいちユーモラス。生真面目すぎるとああなるのは一面真実ではありますが、それ故に滲む哀愁がいい感じ……と思ったらオチがあれですから。どこまで真面目に捉えていいのやら。

 序盤は作画がちょっと乱れがちでしたが、それでも水準はクリアしているし、後半はきっちり持ち直しているのでトータルでは良質。未だに、私にとっては安心して観られる質を保ってくれてます。

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