デンスケを攫おうとした勇子が、何と優子と同じクラスに転校してきた。フミエは敢えて気安く取り入ろうとするが、勇子は受け付けようとしない。そんな彼女に、フミエと対抗して“大黒市黒客倶楽部”なるグループを組織したダイチがちょっかいをかけ始める……
突如として学校を舞台にした電脳アクションに。要は、新たに登場した勇子という少女の桁違いの能力と謎めいた背景を仄めかすのが狙いの1話で、基本が特殊設定の塊であるこのシリーズはいくらでもそれっぽく見せかけることが可能ですから、そういう意味では卑怯な内容。でも優子の過去を仄めかしたり、ダーティなキャラクターとしての勇子を存在感たっぷりに描き出したりと、そのあたりの手管は実にジュヴナイルらしくて好印象。子供騙しというレベルではないから、すれた眼で見ていてもけっこう興奮を覚えます。
ただ気になるのは、どちらかというと背伸びしている印象だったフミエが、勇子という比較対象が登場したことによって“実力”を理解させてくれた一方で、優子がまだやっと“過去をひた隠しにしていい娘になろうとしている少女”というところまで掘り下げられたのみ、作品に対する役割がはっきりと見えてきていないことです――っても、まだ第4話なので、そこまで踏み込む方が変か。
どうやら前提が固まってきたところで、次回あたりからいよいよ世界が拡がっていくような感じでしょうか。うん、噂に違わず牽引力は充分。
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