『帰ってきた時効警察』最終回 振り返らずに別れるか?最後にもう一度振り返って別れるか?それが問題だと言っても過言では無いのだ!

 世界的なギタリスト・熱賀しおりがコンサートを開催したホールの屋上から、楽屋泥棒が転落死した事件が今回の霧山の捜査対象。その場に相応しい扮装をして侵入し犯行を重ねる手口を専門としていた男は、死んだときにしおりの夫であるダンサーと同じような服装をしていた……

 あああ、とうとう最終回ですよ。悲しいなあ。

 しかし前シリーズで趣味そのものの終わりを感じさせる展開にしたのを悔いていたのか、今回は新しい趣味を検討しつつもだらだらと続けてしまっている、より『時効警察』らしい流れ。事件の筋書きやオチにヒネリは皆無、例によって「なんでそれで時効になる?!」と首を傾げたくなるような筋書きですが……しかしこいつらが捜査してたらそりゃ時効にもなるよな、と納得できるので、もはやそういうところはほとんど気にならない。

 第1回・2回に続いて、シリーズの礎を築いた三木聡による話は相変わらずの小ネタ盛り沢山。監督の映画最新作『図鑑に載ってない虫』そのまんまのキャラクターで出演する松尾スズキは序の口で、無意味なモチーフとシュールなネタの応酬、果ては前シリーズのちょっとした台詞を踏まえたギャグまで加えるサービス精神は立派。何がすごいって、シリーズの予定調和を回復する展開のためにわざわざあんなものを使う極端さがすごい。

 ミステリとしての出来は序盤数本に大幅に見劣りしますが、シリーズとしての個性はもうお腹いっぱいになるくらい繰り出してくれたので大満足です。ああこれで第3シリーズまで頑張れるよ俺。絶対にあると信じてるよ!!

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