『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』第11話

 中津がついに瑞稀に本心を打ち明けた。しかし、彼は瑞稀が佐野を好いていることをも察しているから、踏み切ることが出来ない。悩んだ中津が出た行動は――佐野に対する宣戦布告。瑞稀の協力もあって、断絶していた父とも和解できた佐野も、改めて瑞稀は譲れないと実感する。折も折、陸上選手権の予選が桜咲学園で開催されることが決定、オープニング・セレモニーをどの寮が担当するかを賭けて勝負が行われることになった。佐野と中津は寮対決そっちのけで、本気の戦いを演じるのだった……

 ……おや? 先週仄めかした深刻なムードはあっさり一掃して、いつも通りの馬鹿騒ぎの枠で佐野と中津の鞘当てを描いております。基本の馬鹿さ加減が緩んでいないからこそ、その爽やかさが強調されている。ああ、やっぱりそれなりに考えて作っていたんだな、というのが解って快いです。

 そして青春ものとしての白眉は、人知れず力の入っているグループ・パフォーマンス。これまで個性を見せつけてきた三寮が、それぞれのキャラクターを活かしつつ強調して演技をする、という趣向がうまい。ちゃんと瑞稀がメンバーに紛れているのも趣旨に添っています。ただ、こーやって並んでいるのを改めて見ると、瑞稀が女だとばれないはずがない、と思うのですが。同じ服装をして遠景で見ると、却って体格の華奢さや丸さが際立ってるんだよなー。いいけど。

 で、序盤で片づいたかと思われた親子の和解を、終盤にもうひと味添えることでより強固にした演出もいい。臭すぎる、とも言えますが、でもこの作品の方向性なら正当化されます。つくづく、ちゃんと考えが行き渡っている。

 最悪の展開を仄めかしつつ、来週はついに最終回。何と2時間スペシャルだそーです。……ものすっごい疲れそうな気がしますが、覚悟を決めておこう。

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