先週末ぐらいからずーっと低調で、作業がなかなか進まないまま風邪の症状を呈してきた結果あらゆる予定が遅れがちです。具体的な締切がある作業は限られているし、昨晩あたりからやっと調子が戻ってきたので、明日以降は集中するつもりですが――今日はもう予めイベント参加の計画を入れていたので、勘弁してもらうつもりで外出。
まずは六本木へ。何やら就職関連のイベントや、東京国際映画祭絡みで人が大挙しているのを横目にTOHOシネマズへ。今夜の別イベントでもご一緒するNさんが何故かこっちのイベントにも参加していたので、入場前に軽くお話する。
鑑賞したのは、911というよりも長年のアメリカと中東との関係を背景にしたポリティカル・アクション大作『キングダム/見えざる敵』(UIP Japan・配給)。このあとのイベント目当てで鑑賞を決めたので、中身にはさほど期待を寄せていなかったのですが、なかなかどうして、これまでの一方的にアメリカ至上主義に徹していたハリウッド映画とは一線を画し、現地の人々の感情を丁寧に折り込み、重層的な人間ドラマで盛り上げられた、リアリズム重視の優れたアクション映画に仕上がってます。配役にハリウッドならではの不自然はありますが、しかし許される範囲で人物の行動は理に適っていますし、無理矢理描けない要素まで盛り込まず、けれど重みのある物語にするよう丹念な工夫が認められる。特にラストシーンの表現は素晴らしかった。なかなか見応えのある良品です。
上映終了後が本日のお目当てです。襟川クロ司会にて、主演のジェイミー・フォックスによる舞台挨拶が行われました。プレミア上映などでは盛んでも、一般上映の場にハリウッド俳優が登壇することは決して多くない。わりと丹念にチェックしている私も、『ミリオンダラー・ベイビー』のモーガン・フリーマンとヒラリー・スワンクのとき以来です。
近ごろ舞台挨拶でふて腐れた態度をして話題になった人がいましたが、ジェイミー・フォックスはまったく対照的に、冒頭から旺盛なサービス精神を披露してくれました。意味もなくポーズを決めてみたり、「ヨロピク」などとどこで覚えたのか怪しい言葉を使って愛想を振りまいてみたり。しかし司会に質問をされると、愛嬌を忘れぬまま誠実に答える。決して特別な発言があったわけではなく、スタッフの名前に惹かれて出演を快諾したこと、決してアメリカを一方的に賞賛しない内容に意義がある、という恐らくあちこちで繰り返してきた主張を口にしただけですが、ちゃんと言葉を選びながら、通訳を解さなくてもある程度は理解できるように話していたのが実にいい。作中で子供相手に披露していたような、環境音の口真似で笑わせてくれたり、服装について問われたときに通訳を真似して「日本で買いました」と見事な発音の日本語で言ってみたり、と終始サービスを怠らない。
時間的にはあまり長くありませんでしたが、実に楽しい舞台挨拶でした。……が、残念だったのは、映画の後半あたりから私の体調が急激に悪くなってしまい、いまいち集中できなかったこと。ずーっと吐き気に襲われ、いつもなら途中で飲み終えてしまう飲物も半分以上残してしまいました。上映終了後、ジェイミー・フォックスが登場するとちょっと改善し、終了したあとトイレに駆け込んで、嘔吐などせず普通に用を足したらだいぶましになったのですが、しかし肝心の映画後半に没頭できなかったのは悔やまれる。ここ数日の体調不良が一気に出て来たのか、隣に座っていた男性のコロンにやられたのか――あるいは私の体調に関係なく、買った飲物が本当に悪かったせいで、という可能性も考えたのですが、正直よく解りません。そのあと近くで摂った食事は普通に味わえましたし、帰宅してから同じものを飲んでも辛くはなかったのですが、単純に体調が改善したからかも知れないし。
何はともあれ、夜にもう一度外出する予定があるため、なるべく体調を万全にするべく、食後は寄り道せずに帰宅し、しばし仮眠。現在はだいぶいい状態です。
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