転校生・美香の影響で、3B生徒に私服登校する者が急増した。金八先生は頭ごなしに制服を強要するのではなく、ホームルームで“個性”と“ルール”に関する議論をさせ、“ルール”とそれぞれの“個性”とのあいだに折り合いをつけることを指導する。決して意志を否定せず、もう一歩先を促すような金八先生の指導は、確実に美香の心を打った。一方、受験勉強の時期に入ったことでサッカー部を退いたはずが、人数が足りないために練習に付き合っていた悠司は、校長が新しく招いたコーチから暴言を吐かれたことで激しく反発する。結果、コーチが指導している小学生たちのチームと練習試合をすることになるが……
相変わらず地味、けれどやっていることにほとんど異論はありません。ドラマとしてこんなに大きな牽引力に欠く状態でほんとーにいいのか、と首を傾げる一方で、心情的にはだんだん味方したくなってきました。
いちばん強烈な個性の持ち主に全体を引っ張らせるのではなく、ひとり一人を描いていく、という方針が、3回目になってだいぶ力を帯びてきました。美香ほどの個性があれほど簡単に膝を屈する、というのはちょっと御都合主義的のようにも感じますが、しかし美香というキャラクターが通している“筋”は伝わりますし、彼女個人に焦点を絞らせないためにも有効です。やっぱり判断は正しい。
そして後半で今回の焦点となるのは、サッカー部員の悠司と元野球部員の憲太郎。同じようにスポーツに情熱を注いでいたが、受験を控えて立場が微妙に食い違ったふたりを交互に描いて、受験と部活、ひいては学業と部活という部分に切りこんでいく。学校生活における重要なテーマなのに、ここ最近のシリーズではあまり積極的に踏み込んでいなかったこのあたりに着眼したのもいい。ある意味容赦のない決着も、けれど一方の決意と一方の失望を強く感じさせます。
……という感じでだんだん好感が増してます。嗚呼、やっぱり春まで付き合うことになりそうだ……。前シリーズのように、軸となる大きな事件に雑なところが見受けられる展開にはなりそうもないので、ストレスも少なそうですし。
ちなみに今回後半の中心人物となった悠司を演じているのは布川隼汰、愛称は“ふっくん”だそうです。……愛称まで継承するか。
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