『ARIA the ORIGINATION』第3話 その こめられた想いは…

 灯里も馴染みのカフェが改修された、という話を聞いて、店内に入ったことのない灯里は藍華・アリスとともに訪れたが、その途中、ホテルでパティシエをしている青年が広場でチョコを売っているのを目にする。何故か仔細ありげな表情だった彼は、その日を境に店を出さなくなってしまった。そんな彼が、ネオ・ヴェネツィアの補修されている建物を巡っている姿を、灯里達はたびたび目撃する……

 このシリーズ、第2期に比べると、作画の質が全般に底上げされている印象です。とりわけ今回など、ゲストキャラのデザインや描き方にも手を抜いている感じがしません。初めて登場した店の美術でさえ丁寧に描かれていますし、なんだか第1期初期の気合を感じさせます。

 話としても、キャラクターの特徴を押さえつつ謎を繋いで牽引していく、職人的な仕上がり。パティシエの青年の行動にはあまり謎がありませんが、しかし『ARIA』のシリーズに通底する主題をきちんと押さえた話運びは非常に心地好く、余韻もいい。

 まだ3話目ですが、今のところ第3期では一番の出来だと思います。……しかし次回は原作でも出色の、藍華以外のシングルが登場するエピソードを扱っているので、脚色次第ではあっさり乗り越えるかも知れず。だって、予告用とは言い条、抜粋した絵が無茶苦茶丁寧なんだもんなあ……。

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