とある喫茶店で漫画家の水木と遭遇した鬼太郎は、作品の種になると見込まれて彼の家に居候するようになる。しばらく一緒にいたねずみ男は不潔さが嫌われ出て行ったが、その代わり彼は鬼太郎といい仲になりつつあったカトリーヌと接近していた。そんな折、オバケが中に棲みついている、という伝説のある気象現象プリガドーンが日本に近づきつつあった……
内容以前にフランケンシュタイン・吸血鬼・狼男という部下の構成に吃驚。『怪物くん』に繋がるフォーマットってここで完成されたのかしら。
このシリーズにおける妖怪はやたら存在感があるのでそのうち人間世界を侵蝕してしまうような気配はありましたが、まさか本気で侵攻するとは思いませんでした。しかしそこにも仕掛けはあって、こういう大掛かりさと荒唐無稽な派手さが『墓場鬼太郎』の持ち味と言えましょうか。作劇的には、当初の鬼太郎視点から終盤で突如水木視点になる不自然さなどが引っ掛かるのですけれど、そういう大味さが雰囲気に繋がっているのも事実。
しかし話の構成上の欠点を除けば、ある意味大胆さが著しいインパクトを伴った1話になってもいました。どんどん異常化していく妖怪世界と人間世界との境界を明示しつつ、それが現実にも存在していそうな手応えを巧みに描き出している。東京オリンピックの少し前の混沌とした社会情勢をきちんと織りこんでいることも、不思議なリアリティに繋がっています。
雑さも含めて、その豊かな外連味が魅力となっていることを改めて証明した1話でした。さて、来週で最終回なんですが……サブタイトルを調べてちょっと呆気にとられました。最後がそれかよ。ま、まあ、深夜とは思えない異常な視聴率を獲得しているらしいので、プランクを置いて第2期があっても不思議ではなさそうな情勢なんですが、それにしても、それにしても。
ところで今回、京極夏彦氏が出ていたみたいなんですが……気にしていなかったので、どれを演じていたのかさえ解りませんでした。あとで録画を確認してみようっと。
コメント
調べてみましたら、チベットから来た千里眼のトムポだそうです。私も気が付きませんでした。
ところであの話であのチベットからの霊能者は何のために出てきたんでしょうね……?;
感想を書いたあとで調べて私も知りましたがほとんど声を覚えてません。やっぱり見なおさないと。
しかしこの話、彼に限らずほとんどの人が無意味なまま姿を消しているのが却って素敵です。いちばん無意味そうだったキャラクターが最後で一番重要な役割を果たしたり。そういう雑さがとにかく楽しい。