『ゴルゴ13』Target.21 ガリンペイロ

 アマゾン奥地にある村が、ファルカンという男の率いる天然ダイヤ採掘者=ガリンペイロの集団に襲撃され、壊滅した。妻と娘を惨殺され、自らも瀕死の重傷を負ったマリオは、男たちの話からゴルゴの存在を知り、ファルカンたちの殲滅を依頼する。報酬として提供したのは、男たちから盗んだ屑ダイヤ。通常と異なる特殊な依頼を受けたゴルゴが用いたアプローチは――なんと、ハイジャック。

 いつもとはちょっと趣の異なる手段で依頼を実行する姿を描いた話。舞台が多く、登場人物がべらぼうに多いため、一部の場面を端折った表現にしたり、モブキャラが全然動かなかったりと、ものすごーくあっちこっちで省力化に力を注いでます――変な表現だが。しかしその懸命の工夫のお陰で、衛星の熱感知映像でゴルゴの殺戮を捉えたりといったいつもと違うヤマ場が盛り込まれて、思いの外見応えがありました。

 もう少し、追われる組織側の描写が細かくあれば、ゴルゴの仕事ぶりでカタルシスを得ることも出来たでしょうが、その醒めた眼差しは却ってゴルゴらしいとも言える。30分では物足りない、と感じつつも、このアニメ版ではかなり上出来のエピソードだと思います。

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