先週3日から有楽町・日比谷地区の東宝系映画館が順次TOHOシネマズ系列に組み込まれております。まずスカラ座・みゆき座と日比谷シャンテ・シネの日比谷界隈の劇場が3日から、本日には有楽座が、そして来週17日には日劇が、六本木や西新井のTOHOシネマズと同様にシネマイレージ・カードのサービスを受けられるようになるのです。
最近でこそポイント目当てでシネコン中心、そこらで掛からない作品を渋谷などのミニシアターで拾うようになっていますが、映画道楽にどっぷりと浸かるようになった最初の頃、最も頻繁に通い詰めていたのはこの界隈でした。バイクが駐められなくなったのは未だ悩みですが、電車でいちばん移動しやすい土地でもあるし、とりわけロードショーではない独自のラインナップを中心にかけていたシャンテ・シネでシネマイレージのサービスが利用できるようになるのは大変に有り難い。そんなわけで、改称したらすぐ記念に立ち寄ってみる――つもりでいたのですが、先週いっぱい風邪で潰れていたので、今日になってようやく実行に移しました。
……まあ、名前が変わっても入っている建物や設備ががらっと変わるわけではない。シャンテの場合は入口などの看板がTOHOシネマズのロゴに変更され、従業員が前は確かスーツだったのがほかのTOHOシネマズと同じ黒の制服になっているぐらい。あとはほとんど一緒です。マナームービーは蛙男商会ではなくシャンテ・シネのときに使っていた独自のものですし、予告で流れる次回上映作品のラインナップも相変わらず小規模上映作品中心。特徴は変えない方向性らしいのは何よりです。
ただ残念なのは、オンラインチケット購入サービス・Vit用の端末が、チケット売り場ではなく、各階に置かれているらしいこと。このシャンテの映画館は、立地条件の都合でもぎりをエレベーター出入口のところで行っているのに、Vitの端末はその奥にあるのです。手間を省くはずが、ここでいちど係員に言ってから端末に向かうという手間を増やしてしまっているのが勿体ない。チケット売り場がビルの共用空間にあるため、端末を置けないという都合があるのも理解できるのですが、何か工夫が欲しいところ。
そして、私はそもそもシネマイレージのサービスが利用できることを喜んでわざわざ訪れたというのに、ちゃんとカードも示したのに、鑑賞履歴の登録を怠ったのは、幾ら切り替えから間がなく不慣れだったと言っても印象が良くありません。私の場合、シネマイレージのカードと一緒に、映画テレビ技術協会の準会員証を提示する必要があるのですが、窓口の女性がその割引を知らず別の係員の方に確認する手間が入ってしまった分、登録するのをうっかり忘れたらしい、というのも見ていれば想像はつく。特殊な割引ゆえ記録が残っていたようで、連絡をしたらすぐに登録されたのも幸いでした。が、せっかくのメリットなんだから、そーいうところでチョンボを犯すのは勘弁して欲しいところ。
……なんか作品のほうがすっかり脇役になってますが、実のところ本当に今日はTOHOシネマズシャンテで観る、というのがメインだったため、作品については誇張でも何でもなく題名ぐらいしか知識がありませんでした。題名からてっきりイギリスの映画だと思いこんでいたらチェコの、しかも第二次世界大戦の前後にホテルを渡り歩いた給仕人の悲喜劇を描いた映画でした、『英国王給仕人に乾杯!』(フランス映画社・配給)。しかしそんなにも予備知識皆無だったのが却って良かったようで、非常に面白かった。主人公はかなりのバカ野郎ですし、冷静に考えると酷いこともしているのですが、それを許せてしまうような軽妙さと洒脱さ、そして哀感に富んでいる。パターンを築きつつも細かく予想を裏切るシナリオも巧みで、かなりの収穫でした。
なお、来週の17日には改称直後のTOHOシネマズ日劇に来てみるつもりです。スカラ座、みゆき座、有楽座も順次訪問予定――まあシャンテ同様、中身はほとんど一緒なんだろーと察しはついてますが、やっぱりこのあたりの東宝系映画館には思い入れが強いのです。
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