- 『BONES―骨は語る― Season1 Vol.8』(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント)
- 第15話『パートナーの危機』
拷問の末、犬に食われた無惨な姿で発見された遺体。ブレナン博士と同僚たちは的確な推理で、犯行時の状況や凶器の実情を炙り出していくが、そんななか、ブレナン博士が何者かによって銃撃される、という事件が発生する。幸いに無傷で済んだが、ブース捜査官は四六時中彼女に貼りついて警戒を強める……
……うーん、今回はちょっとあちこち雑なところが目立ちます。遺体から犯行に使われた凶器、状況を炙り出していく手管は相変わらず圧巻なんですが、犯人の行動にどーも説得力がない。計算しているように見えて随所が酷く雑ですし、だいいちそういう目的なら、ブレナン博士だけを狙うのはあまりに安易じゃないか? そして、途中である仕掛けをしたときにあんなものをわざわざ遺留した意味が解らない。
話としては、ブレナン博士もブース捜査官もさんざん酷い目に遭って、クライマックスでは珍しい見せ場があることが特徴的ですが、如何せん土台の謎がガタガタなので、コメディのように見えてしまうのが残念。
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- 第16話『地下の住人たち』
使われたことのない地下道に通じる坑道の下端で、ネズミの餌食になっていたのは、地下道で暮らす人々を取材していた女性ドキュメンタリー監督。地下の住人たちのリーダー的存在である男が、被害者のカメラを隠し持っていたことから疑われるが、彼は他にも意外なものを掴んでいた……
遺体の痕跡からじわじわと犯人像に迫っていく、という毎度のスタイルも健在ですが、今回面白いのは、誰も全体像を把握していない地下道の繋がりを解き明かして、“宝探し”を試みるくだりです。それ自体都市伝説のような“宝”を、全貌の掴めない地下空間から捜し出す、という流れを、ミステリ・ドラマの一貫として組み込む趣向はなかなかユニーク――いや、ないわけではないんですが、このシリーズのフォーマットからするとなかなか意外な展開でした。
そういう趣向の面白さに対して、最終的に犯人を絞り込むための手懸かりがやたら単純なところから出て来たり、そもそも犯人像がちょっと安易に映るのが残念ですが、1時間の尺でこれだけやれば充分。少なくとも15話の不満を拭ってくれるだけのインパクトはありました。
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