- 『オテサーネク』(UPLINK)
昨年末に参加した三津田信三氏のサイン会&トーク・セッションで、三津田氏お薦めのホラー映画を紹介するペーパーが配られていて、そこに挙げられていた中でまず気になったのがこちら。チェコのアニメーション作家ヤン・シュヴァンクマイエルによる、アニメーション手法を用いた空想的ホラー。
ああなるほど、これは素晴らしい。向こうでは一般的らしい童話をモチーフにしていて、タッチはどこか牧歌的なのに、細部が異様にグロテスク。冒頭の奇妙な幻想部分に、一気に常軌を逸していく妻と、その狂気に巻き込まれていく夫。ずっとそれを見つめていた少女の思わぬ行動から物悲しい結末に至るまで、独特の薄気味悪さが秀逸です。木の根っこをもとにした人形のぎこちない動きが、余計に変な幻想性、物語の歪さを引き立てています。大変美味しゅうございました。
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