クリスチャン・ベールが体重を極限まで落として演じたことで有名な映画『マシニスト』のブラッド・アンダーソン監督2008年の作品です。北京からモスクワへ向かうシベリア鉄道で、思わぬ災難に見舞われた夫婦の姿を描いた映画です。
内容よりも、邦題や発売元のコピー、ジャケット映像とかが大問題です。どこを切っても強烈なアクション映画風味ですが、はっきり言ってアクションありません。最後でちょっと動的な場面があるくらいで、基本は非常に正統派のサスペンスです。そう解って観れば、序盤のまったりとした印象、奇妙な緊張感も見所になるのに、アクションを期待してしまうからなおさらに進行が遅く見える。
サスペンスとして眺めれば、もう少し掘り下げが欲しいとか、画面も話運びも地味、と嫌味もあるものの、登場人物の立ち位置や心理を巧みに操り、観客を惹きつける技も見せてくれるなかなかの佳作です。……確かに、何を売りにすればいいのか困る内容ですが、しかしこのジャケットはないだろこのジャケットは。
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