突如立て続けに映画館を訪れていましたが、今日でとりあえず最後です。明日からはまたしばらく作業漬けになります。
トリを飾ってもらうべく訪れたのはTOHOシネマズシャンテ。鑑賞したのは、ハーレムの過酷な現実と、そこから少しずつ脱却していく少女の姿を力強く描き、アカデミー賞4部門ノミネート・2部門受賞を筆頭に様々な映画賞で採り上げられた話題作『プレシャス』(PHANTOM FILM・配給)。
これは何とも不思議な作品でした。主人公プレシャスを巡る現実はあまりに過酷なのに、何故かあまり負のイメージがない。はじめのうちは現実を感情から切り離し、本当に辛い出来事に遭遇すると妄想に逃げこむ、という冷静に考えると統合失調症に踏み込みかねない危険な対処の仕方で主人公が不運を拒絶していたからなのですが、それが気づけば、様々な出逢いを経て前向きな思考に変化しており、そのお陰で陰鬱な気分になることなく物語を最後まで語りきっている。こういう題材はやもすると終始不幸の押し売りになったり自己陶酔的になってしまうのですが、そこを現実逃避的な見方も含めて咀嚼し、地に足の着いた描き方をしているのが、本篇の特異さであり優れたところ、と言えるのではないでしょうか。……何にせよ、高い評価も当然の逸品でした。
ちなみに本日は例の徹夜イベントがあるため、このあとまた外出です。
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