最初の『ショーシャンクの空に』を観に行って以来、『激突!』までご無沙汰をしていた『午前十時の映画祭』ですが、ここで何やらスイッチが入ったかのように3週連続での参加。『ベン・ハー』の、黒画面での序曲とインターヴァルが入る、という構成と昨今珍しい重厚な大作っぷりに痺れて、続けて今週もかかっていた長尺の作品をどーしても観ておきたくなった、というのもありますが、それ以上に、あれほど遠い遠いと思っていた六本木が、自転車で1時間足らずで着いてしまう、と解ってしまったのが大きい。正直、自転車で来るのがいちばん便利だったかも。これなら、大雨とか雪にならない限りは、来るのは苦になりません。
今週の六本木での上映作品は、実在のイギリス軍人のアラビアでの活躍を、砂漠での壮絶な撮影によって再現した現代の叙事詩『アラビアのロレンス』(COL・初公開時配給)。予告篇含めて3時間50分です。ほんとに、機会を設けないとなかなか観る気になりません。
『ベン・ハー』と較べるとあまりに生々しくシリアス、終盤の展開もカタルシスより虚無感のほうが色濃く、エンタテインメントとしては『ベン・ハー』のほうが好きですが、砂漠という特異な環境を精細に、迫力充分に捉えた映像と、戦争のなかで生まれた英雄が戦争によって壊れていく様を描きだしたドラマはただただ圧巻。アラブなのにほとんどの人が英語を解する不思議も大して気にならないほど、支持されるのも当然と頷ける傑作でした。
次回の上映作品は、かなり時代は近づいて『眺めのいい部屋』。ティム・バートン作品の異形のミューズとなる前のヘレナ・ボナム・カーター出演作ですが……いい作品なのは間違いないだろうけれど、あんまり気にならない。余裕があったら、にしておこう。
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