相変わらず作業のペースが遅れ気味、しかも明日はアレがあるのでなるべく進めておかねばならない情勢ですが、しかし「これはどうしても観たい!」と思っていた作品が、都内では今日いっぱいで上映が終了となってしまうため、後悔するよりは、と夕方からお出かけ。さすがに金曜日の最終上映はある程度混雑するだろう、と予測して、1時間ぐらい早く有楽町入り。チケットを確保すると、本屋にて時間を潰してからもういちど劇場へ。
訪れたのは、銀座イトシアにあるヒューマントラストシネマ有楽町。前にここに来たときは、“シネカノン有楽町2丁目”という名称でした。親会社が渋谷に続いて同じ企業にネーミングライツを売却したのが昨年末頃、そしてその親会社シネカノンが民事再生法の適用を申請したのが今年1月。……なんだか売り逃げのような展開ですが、しかし前からあったシネカノン有楽町1丁目はこの再生法申請と同時に閉鎖したことを思うと、命名権が売られたことで生き残ったのは不幸中の幸いだったかも。えらく可動領域の狭い劇場なのですが、ミニシアターらしい佇まいは結構好き。
鑑賞したのは、イラン発のヒューマン・ミステリー、ひとりの女性の失踪を機に炙り出される秘密や嘘を描いた『彼女が消えた浜辺』(LONGRIDE・配給)。
予告編を観たときからとにかく気になっていた作品なのですが、これは『瞳の奥の秘密』と色んな意味で対極にある傑作です。物語の期間は短く、歴史や文化の背景が最小限の影響しかしていないので、他の国を舞台にしても成立しそう。そして、哀しい結末が留める嫋々たる余韻。意外なところから届けられた、上質のミステリ映画でした。都内での上映はこれでひとまず終了ですが、来年初頭までにかけて各地で上映の予定があるので、ミステリ愛好家はチェックしておいていーんではないかと。
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