- 『ふたりはプリキュア Vol.10』(Marverous Entertainment Inc.)
こちらは昨日鑑賞したのですが、眠気に屈して感想を書かなかったので。なぎさとほのかが演劇でロミオとジュリエットに扮する第37話、なぎさの弟のお使いを描く第38話、担任教師の結婚で沸く第39話、夢の中での戦いを軸にした第40話まで。
このシリーズ、初期ではなぎさとほのか、別々の交友関係のなかでエピソードが展開されていましたが、終盤になるとなぎさの世界にほのかが混ざっている、という印象でした。それが第37話で頂点に達した感じ。すっかり志穂たちとも親しんでるし。それが第40話、科学部の仲間も加えてのお泊まりに繋がっていく。人間関係がわりと最初から固まっていた『プリキュア5』や『フレッシュ〜』とは違う愉しさがあります――と同時に、『ハートキャッチ〜』はこういうところも含めて原点回帰の趣があるのよね。
本巻のなかで興味深いのは、プリキュアふたりの地力が上がっているのを描いていること。第37話、演劇の中でとはいえ、途中までは変身せずにザケンナーと渡り合っていたのもそうですが、第38話まではポロンの助力でパワーアップしてようやく敵を退けていたのが、第39話ではいちど破られた技で勝利している。後半になって、本筋にはあちこち無理が見えているのですが、こういうあたりが妙にリアルなのが面白い。
残すところあと3巻――なんですが、現在利用しているレンタル店、どういうわけかその3巻が見当たらない。いちおう、「シリーズ終盤だけないのはあんまりじゃないかぁぁ」と店には主張してありますが、入荷されるのを待つのもアレなので、別の店で借りるとします。
そしてこちらが本日鑑賞した作品、“ジョニー・トー組の頭脳”と呼ばれる脚本家ヤウ・ナイホイ初監督によるクライム・サスペンス。警察監視班と知的かつ凶悪な強盗犯との行き詰まる駆け引きを描いてます。
これは非常に面白かった。公開当時、大雑把な知識から、監視社会に警鐘を鳴らす内容なのかと思いこんでいたのですが、実際はそうではなく、監視カメラなどの情報を精査し、容疑者を絞り込み、証拠や拠点を炙り出す様をスリリングに生々しく描くのが主眼。そのうえで、ジョニー・トー仕込みの銃撃戦や暴力を織りこみ、クライマックスの熱いドラマへと繋げていく。監督は違えど、キャストも舞台もほぼ一緒なので、ジョニー・トー作品と手触りは似ています。そういうこともあって、まったく不満のない出来。
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