雨は降ってないけど。[午前十時の映画祭(62)]

 今月は序盤から飛ばしすぎだったので、日曜、月曜と間を空けてから、毎週恒例の午前十時の映画祭へ。

 まずはTOHOシネマズみゆき座で行われている《赤の50本》、今週の作品は、恐らくあらゆるミュージカル映画のなかで最も有名なシーンのひとつを含んだ伝説的作品雨に唄えば』(MGM配給)。今年最初のころに鑑賞した『ザッツ・エンタテインメント』で少しミュージカルの愉しさが解ったので、特に楽しみにしていた1本だったりします。

 この時期のミュージカルはダンスや歌の趣向が先行してお話は貧弱、というのが率直なイメージですが、これは思いの外しっかりしてます。枠組は王道、そしてシンプルですが、伏線の張り方や心理的な積み重ねが巧みで、不自然さが少ない。結末の爽快感はなかなかのものです。そして、頂点があの雨のなかのダンスであるのは疑いを容れませんが、他のダンスシーンも眼を見張るくらいに鮮やか。先週鑑賞した『ウエスト・サイド物語』とは違ったベクトルでの傑作で、どちらかと問われたら、私は本篇のほうが好き。

 週末にはフリーパスを活用する予定なので、残る《青の50本》も早いうちに鑑賞するつもりです。来週以降、《赤の50本》はひと月ほど、昨年観た作品が続くので、ちょっとだけ楽になります……と言いつつ、『アラビアのロレンス』とかは再鑑賞してみようかしら、という気にもなっていたりするのですが。

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