ようやくロバート・デ・ニーロ。[午前十時の映画祭(66)]

 今週の午前十時の映画祭《青の50本》を鑑賞すべく六本木へ。……ちなみに日比谷のみゆき座で上映されている《赤の50本》は、昨年鑑賞した作品がしばらく続いているので、未見のものを優先する都合上、ちょっとご無沙汰しております。今月中旬からまた通うわ。

 それはともかく、今週の作品は、マーティン・スコセッシ監督の出世作、孤独故に狂気に走る男ロバート・デ・ニーロが圧倒的な演技力で体現したタクシードライバー』(コロンビア配給)。『ディア・ハンター』と『ゴッドファーザー PART II』が震災の影響で上映延期になってしまったため、午前十時の映画祭では初めてのロバート・デ・ニーロとの邂逅です。

 ……これは好きだ。ひたすら内に籠もって狂気を増幅させていく姿を、ユーモアを交えつつも圧倒的な筆致で描き出す手管。デ・ニーロのメソッド演技の迫力。そして驚くほど変わっていないけど瑞々しさ全開のジョディ・フォスターの存在感。こういう展開ならこういう締め括りだろう、という予測を裏切るラストの齎す余韻まで含めて、衝撃の重い1本。ここ数年のスコセッシ作品を何本か鑑賞して、確かに巧いけどあんまり惹かれない、と思っていたのですが、これにはちょっと惚れました。

 鑑賞後はいつも通り、うどん屋で昼食を摂って帰宅。天候が回復し、まだ暑いながらも少し陽気が秋めいてきたお陰で、自転車の走り心地は快適でした。……バイクだともっと気持ちいいんだよなー。

コメント

タイトルとURLをコピーしました