フリーパスも残すところあと8日。まだ観たい作品が残っているので、可能な限り消化するべく、夕方からハシゴしてきました。劇場は昨日に続きTOHOシネマズ西新井。
まず1本目は、さだまさしの小説を『ヘブンズ・ストーリー』が高い評価を受けた瀬々敬久監督が映画化、過去の経験がもとで心が壊れた青年が、遺品整理の仕事を通して恢復していく姿を描いた『アントキノイノチ』(松竹配給)。
……実はついこのあいだまで原作未読だったんです。発売した当時に購入したんですが、タイミングを逃してまして。しかし、せっかく映画をやってるし、フリーパスの期間中でもあるから、何とか観るか、と思い急遽原作を読み始めた。これがさすがにさだ作品なだけあってツボに嵌って、またどう映像化するのかに興味が湧いたので、モチベーションが上がったのです。だから、今日は楽しみにしていた。
が、監督が『感染列島』の人だと知ったときに覚えた不安が、的中してました。これは、駄目。別に映画化するときに原作の通りでなくても構わない、テーマが変わっていてもそれで完成されているならOK、という立場の私が、原作に抱いた愛着を排除した上で考察しても、どうにも認められない出来映え。とにかく、いいと感じた部分はおおむね原作通りで、駄目な部分がぜんぶ映画オリジナル、というのがまずい。今年は観た本数のわりに大きなハズレがなかった、というのが私の印象であり、それ故に現時点でワースト1と言い切ってもいい。これは駄目。
珍しく映画の内容で不機嫌になりつつ、少し待機したあとで2本目へ。こちらは本日封切り、リチャード・マシスンの原作をもとに、ロボット格闘技を通して親子が絆を取り戻していく姿を描いた『リアル・スティール』(Walt Disney Studios Japan配給)。
こちらはもう、雲泥の差、と言っていいくらいに上出来。話の展開自体は陳腐なのですが、モチーフや状況がしっかりと噛み合って、終盤の昂揚感が半端ではない。逞しいけどダメな親父を見事に演じたヒュー・ジャックマンも素晴らしいですが、何と言ってもダコタ・ゴヨ演じる息子が秀逸。映像的にもクオリティは高いし、一部雑なところはあれど、それで文句をつける気にならないくらいにいい映画でした。『アントキノイノチ』で覚えた鬱憤が吹っ飛ぶぐらいに素敵。
なお、明日は他の劇場でハシゴする予定です……昨晩も胃の痛みがぶり返していたぐらいで、まだ健康状態に少々不安を抱えているので、当日になって気が変わるかも知れませんが
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