きのう、更新をひととおり済ませ、夕食を摂ったあと、今年最後の徹夜イベントに参加するべく新宿へ。自転車で行こうかしら……とは思わなかった。道中の体力はともかく、自転車で消耗しきったあとで徹夜できるとは考えにくい。そして帰りがもっと怖い。
イベント前に、新宿武蔵野館にて1本映画を鑑賞。作品は、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ主演、戦争に引き裂かれた夫婦の愛を、ヘンリー・マンシーニの音楽に乗せて切なく美しく綴った名画『ひまわり』(Unplugged配給)。
実はこの作品、当初は第2回午前十時の映画祭にて上映される予定でした。が、開催が近づいた頃になって、契約上の都合により『昼顔』に差し換えられてしまったのです。ちょうど同時期、ソフィア・ローレンが日本の世界文化賞を受賞したこともあって、個人的にも興味を惹かれていただけに残念に思い、機会があれば鑑賞したいと考えていたのです。意外と速く実現しました。
題材、話の展開などはもうだいぶ手垢がついたものですが、それでもさすが、確かにいい映画でした……がしかし、朝に観た映画のインパクトが強すぎて、どーしても霞んでしまう。映画館に着いたあたりから体調が悪くて集中力を欠いていたのに、最後まで観てしまったんですから、間違いなく傑作ではあるんですけど。今日は不利。
続いては本日のメイン・イベント、新耳袋トークライブ82です。年末の回はクオリティが高い、という評判が立っているせいで競争率が高く、それでも木原氏はなるべく来た人全員入れようと頑張っている様子でした。開演前にお店の方が壇上から訊ねたところ、このイベント初参加の人はたった1人でした。リピーター率高すぎだ、私が言うことじゃないが。
第1部は、すっかりお馴染みの映画秘宝編集部を中心とした新耳Gメンのコーナー。……が、今回はまだ大っぴらに出来ない話が多かった。とりあえず、去年あたりからずーっと楽しみにしていたものがようやく形になるらしいので、今度こそ手元に届くことに期待。そして、話の中で触れ、静止画の形でしか観られなかった動画の実物が次回には観られることを望みたい! あれ、本当なら凄いぞ?!
第2部以降は、木原氏単独での怪談語り倒しです。『隣之怪』が角川書店にお引っ越しとなり、現在新刊の準備中ということで、取材が行き届いているようでかなり密度が高い。
どちらかというと笑いの要素が強かった第2部に対し、第3部はちょっとハード。諸般事情から基本的に木原氏が語るのは今回限り、憑き物落としのためにお披露目する、という前置きつきでの話でしたが、確かに重い。常連であるほど、木原氏がこの類の話に対して抱く想いを承知しているだけに、ただ黙して傾聴するのみ。
今年、このイベントはかなり哀しい出来事がありました。3月11日のこともそうですが、木原氏が“弟子”と呼ぶあの方の急な旅立ちは、観客という形でしか縁のなかった私にも(そういうことについては淡泊なタチであるにも拘わらず)衝撃でした。それだけに、お約束である“締め”は、いつも以上に厳粛。来年はどうか、もっと穏やかでありますように。
最後に、会場で購入したもののご報告。
先月末に発売されていた、シリーズ最新刊です。主に劇場版の関東編で扱ったエピソードを収録しています。毎回わりとふざけたタイトルをつけていたのに、今回は久々にストレートな印象。ネタに詰まった……というのもあるでしょう*1が、今回は新耳Gメンが自分たちの情報網で辿り着いた“関東版幽霊マンション”という重量級のネタがあるからこそ、自信を持ってシンプルにしたのかも。
*1:毎回、発売前にイベント会場で編集の田野邊氏がタイトルを予告するんですが、執筆が間に合わずに遅れ、タイトルの元ネタが古くなってしまって変更、というパターンが何度か起きた、という事情もあってシンプルになった可能性もある。
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