夕方から日比谷へ映画鑑賞に赴きました。
毎度のTOHOシネマズみゆき座にて、午前十時の映画祭《赤の50本》を鑑賞してきたのですが、いつもと若干わけが違うのは、昨年からずっと通っていて初めて、この映画祭にていちど観た作品の再鑑賞だということ。これまでも何度か考えたのですが、どうもタイミングが掴めず、または新作や未鑑賞のものを優先していました。が、しかし、これだけはどうしてももう1回観ておきたかった。それも、折角なので大きなスクリーンで。
ものは、子供の親権争いの様子を軽快に、しかし慈愛に満ちた眼差しで綴る『クレイマー、クレイマー』(コロムビア映画配給)……はっきり言えば、あのフレンチ・トーストのくだりの表現を確かめておきたかったのです。
2度観て、改めてその完璧さを痛感。本当に隙がない。問題のフレンチ・トーストのシーンはカメラワークまでがハマっていて間違いなく白眉なんですが、それ以外のシーンにもひとつとして無駄がありません。冒頭のジョアンナが見せる憂いの表情は中盤のシーンと対比し、そのあとでテッドが見せる軽薄さでさえ後のシーンで共鳴してくる。親子の絆が変わったことを象徴しているかのようなシーンが、別の展開の決め手になってしまうとか、2度目だからこそ感銘を受ける場面の多いこと。2度目だし感想書く必要ないから気楽に観よう、と思って実際どっぷり浸かってきましたが、心底面白かった。
午前十時の映画祭はみゆき座に限り、翌週のチケットが確保出来る仕組みなので、今日窓口にて、来週の分も購入してしまいました。これが、《赤の50本》最後の1本になります。
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