レンタルDVD鑑賞日記その294。

 本日もお出かけでした――が3日連続で似たようなことを書くのもアレなので飛ばして、一昨日から今日までに鑑賞したレンタルDVDについて触れてみる。忙しい忙しい言いながらしっかり観ているのは、映画を観ないと活動停止するから――ではなく、返却期限までにぜんぶ鑑賞するためです。

 まずは、昨年公開された、P.O.V.形式のホラー。自主映画のスタッフが踏み込んだホテルで遭遇する怪奇現象を描く――という大雑把な説明は『グレイヴ・エンカウンターズ』と一緒ですが、こちらの特徴はほぼワンショット撮影であることと、作中のとあるアイディア。このふたつがけっこう意欲的なので個人的には面白かったのですが、ホラー映画として上出来か、と問われると、私でも「駄目」と応えざるを得ない。着想は良くても、そこから恐怖を引き出すための工夫があまりに乏しいのです。いや、枠の中ではよくやってると思うんですが、それを作り手の苦労を汲み取ることの難しいひとに強要するようでは駄目です。だから、意欲的だけど不出来。

 こちらは本日、午前中に取り急ぎ鑑賞。日本では先に公開された、シリーズ第2作。戦後、香港で武館を開いたイップ・マンが、現地の武術家との軋轢を経て、武術家の誇りをかけた戦いに挑むまで。

 プロット的にはブルース・リーがやっていたのとほぼ一緒――というより恐らくリーが師匠から聞いた体験談があのストーリーの原型だったのかも――なのですが、語り口やアクション描写が洗練されていて、無茶苦茶完成度が高い。香港の武術家たちとのいざこざ、そのあとにさり気なく和解を経て、クライマックスでの死闘に至る流れの自然さ、そして感動のドラマさえ生み出す傑出したアクションの構成。香港産カンフー・アクションの基本をいちばん完璧な形でまとめた作品です。それにしてもドニー・イェンサモ・ハンの擬斗の迫力と来たら! あれだけでご飯3杯いけそうだ、とちょっと本気で思いました。

 今年末には、いよいよ弟子入りしたブルース・リーの姿が描かれるというシリーズ第3作の撮影が始まる(しかも3Dで)ことが予告されています――嗚呼、今度こそ劇場で観よう。すっかりドニー・イェンに嵌まっているのに、いまだ劇場で観た作品が『捜査官X』とカメオ出演の『HERO』、そしてこのあいだ企画で再上映された『ワンチャイ2』だけなのが切ないのです。コメディ作品は如何に彼が人気でもなかなか日本には渡ってこないでしょうし、いまから待ち遠しいぞ!

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