本日は、今年初の試写会です。キネマ旬報が始めた映画専門SNSサービス“KINENOTE”のユーザーを対象にした試写会の第1回に当選したのであります。
会場は、秋葉原にあるアキバシアター。普段なら自転車で行くところですが、如何せん昨日降った雪がまだあちこちに残っており、まして日が暮れたあとに帰宅することを考えるとちょっと怖い。大人しく電車で移動しました。
上映作品は、2011年に『木漏れ日の家で』が日本にて公開、好評を博したドロタ・ケンジェジャフスカ監督最新作、ロシアからポーランドへの国境越えを目論む子供たちの姿を、自然な会話と傑出した映像美で描き出した『明日の空の向こうに』(パイオニア映画シネマデスク配給)。
本篇に先駆けて、作品に日本から出資したという、パイオニア映画の代表でもあるプロデューサー・丹羽高史氏のトークイベントが行われました。紹介こそ2011年が初めてでしたが、実はもっと前にドロタ・ケンジェジャフスカ監督とその作品とに出逢っていたという丹羽氏が、出資するに至った経緯や、ポーランド、ひいては東欧の映画興行事情について、かなり丁寧に語ってくれました。ぶっちゃけた話、私は単純に「試写会で観られるなら嬉しい」程度で申し込んだので、監督についてもポーランド映画についてもまったく知らなかったため、話は非常に興味深かった。日本の映画業界は不遇だ、と思ってましたが、少なくとも“作品を鑑賞する”という点については幸せのようです。ただ、認可が下りれば国の支援が受けられる、という映画製作の事情については、日本でも可能になるといいなあ。
イベントののち本篇。物語を綴る、というより、国境を越える冒険をひたすら淡々と追ったもので、話を辿るつもりで鑑賞するとかなり退屈。しかし、子供たちの活き活きとした表情や、それを追った映像の美しさ、表現の饒舌さは逸品。途中で遭遇した花嫁の表情や、終盤の警察官の振る舞いなど、子供たちが陽気であればあるほど際立つ細やかさもあって、味わい深い1本でした。
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