昨年末からどーしても観たかった映画があります。配給会社が決まる以前から密かに気にしていて、いちどSony Picturesで公開の予定が出ていたのに消えてしまったのを心配し、昨年後半に別の会社が公開を決めてくれたことを喜んでおりました。が、公開直後に観ないとずるずる先送りになってしまう、という毎度の法則通り、なかなか観に来るきっかけが見つからず、とうとう公開終了間際になってしまいました。さすがにこれを観逃すと心残りが大きすぎるので、色々と大変な状況は続いていますが、頑張って夕方から鑑賞に出かけたわけです。
訪れたのは今年初めて……ではないんですけど、ちゃんと観るのは今年初めて、のTOHOシネマズシャンテ。作品は、『インデペンデンス・デイ』などディザスター映画で知られるローランド・エメリッヒ監督が密かに暖めていたという企画、シェイクスピアの諸作が別人によって執筆された、という説に基づき、その意外な背景を、史実を絡めて描き出す歴史ミステリー『もうひとりのシェイクスピア』(PHANTOM FILM配給)。
当初は、あのローランド・エメリッヒ監督がシェイクスピアを題材の歴史もの? と不思議に思って注目していただけでした。が、けっこう脚本の出来がよさそうだったので期待は高まり、不出来であっても観ておきたい、というぐらいに募っていた。で、いざ観てみたら、これが期待よりもずっと良かった。真偽はさておき、もしこういう背景があったとしたら、という前提のもとで築かれたドラマが圧巻です。時系列を前後させながらの複雑な語りが生み出し、そして解き明かす謎の重量も充分で、見事な出来映えでした。エメリッヒ監督、大味な作品ばっかり撮っている印象でしたが、こんな隠し球があったのね。
さて、実はもう1本、観たかったのに今週いっぱいで終わってしまう作品があります……が、果たしてそっちまで押さえる余裕があるかどうか。
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