宮崎駿監督引退会見の日に、スティーヴン・ソダーバーグ監督最後の劇場用映画(?)を観る。

 小見出しでなにを観に行ったのかバレバレですが、いちおう毎度の如く経緯から記します。

 今週、金曜日封切り作品は少ないのですが、そのなかでも私にとってはこれこそ最優先なので、鑑賞のためにTOHOシネマズ西新井へ――みゆき座でもかかっていますが、帰りに行きつけの蕎麦屋で食べたい、という理由のために、いつもより早めの上映時間にわざわざ合わせて、ちょっと早起きして出かけました。

 作品は、上記の通り『オーシャンズ』シリーズや『トラフィック』のスティーヴン・ソダーバーグが今後テレビや舞台に活躍の場を移すことを仄めかしているために、最後の劇場用映画になるのでは、と噂されている、クラシカルなムードをまとうサスペンスサイド・エフェクト』(Presidio配給)

 個人的に好きな作品の多いソダーバーグ最後の劇場用映画となるかも知れない、という話を聞いたので、ほとんど予備知識を仕入れず鑑賞したのですが、驚くぐらいに私好みの、正統派サスペンスでした。相変わらず神憑りなカメラワークで、不穏なプロローグから淡々と状況を積み重ねていき、決して扇情的な描写に頼りすぎることなく(セックスシーンとか、殺人の場面はあるけど)緊張感を維持していく。途中で疑惑の焦点が切り替わり、予測不能になっていく手管も秀逸ですし、結末も見事。最後という気負いは感じさせず、しかしこの波瀾万丈なキャリアを構築してきた監督らしい豪勢さと落ち着きのある良品に仕上がってました。

 鑑賞後は、念願通り行きつけの蕎麦屋に赴き昼食。当初は夕方にもういちど西新井に戻ってもう1本観ようか、と考えてましたが、あと1週間ぐらい猶予がありそうなので、先送りにしました……と言っても、あと1週間なのでのんびりは出来ませんが。観たいのが溜まりすぎだ。

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