ヒーローも色々、なハシゴ。

 とにかく観たい映画が溜まってます。ぜんぶ押さえるのはもう諦めてますが、それでもタイミングがあれば出来るだけ鑑賞したい。
 先週の火曜日に各所のスケジュールが出てきたところで細かく見比べ、宿題になっている作品を調べているうちに、ここならハシゴ出来るかも、というところを見つけた。
 ただ、どう考えても、1本目と2本目のあいだで、食事するゆとりがない。昼寝が遅くなるなど、そのあとの予定に影響するのは、透析の日程を調整して、当日を休むようにすれば問題はない。しかし空腹で2本目に臨むのはどうも不安がある。利用する予定の丸の内ピカデリー ドルビーシネマはコンセッションのフライドポテトが美味しいので、それで多少は空腹が凌げるとしても。
 あれこれ悩みましたが、この2本はどちらも油断すると観逃しそうなので、頑張って押さえに行きました。
 というわけで電車にて有楽町へ。好天にも拘わらずバイクにしなかったのは、2本立てだと駐車料金が余計にかかる可能性があるから。首尾良く最安値のところを確保出来れば別ですが、埋まっていると費用的にも移動時間的にも損をする。

 まず訪れたのは丸の内ピカデリー、ただしドルビーシネマではなく、有楽町マリオン内のノーマルスクリーンです。1本目の作品は池波正太郎生誕100年記念作の第2部、京に渡った仕掛人が入り乱れる愛憎のなかで命のやり取りを繰り広げる仕掛人・藤枝梅安2』(AEON ENTERTAINMENT配給)。前作のように上映終了ギリギリで駆け込まずに済むよう、さっさと観ておきたかったのです。
 今回も堂々たる娯楽時代劇。仕掛人自身の復讐が入り乱れ、予測の難しい展開をしつつも、そこに命のやり取りを続ける者であればこその葛藤が描かれている。前作以上に命の駆け引きの緊張感があって、見応えも豊かです。
 ただ、今回は直接繋がらないふたつの因縁が絡みあうのは面白い一方で、その決着がひと繋がりになっていない印象があるのが惜しまれる。ラストまで太い紐に束ねられているようだった前作と違い、本篇は途中から別の恩讐が結びついて延びていくような構造なので、やや統一感を欠いてしまっている――いや、構成としてはユニークだし、きちんとドラマとしても流れが出来ているのですが、統一感としてもカタルシスとしても前作の方が上だった、と感じます。
 しかし、同じスタッフが立て続けに撮っているがゆえの一貫性のある作りで、前作を楽しんだ人なら間違いなく没頭出来る。仮に前作を観てなくても面白いはずの、優れた時代劇です。いちおう公表されてる作品はここまでのはずですが、エンドロールあとのひと幕での仄めかしを信じるなら、まだ次の楽しみがありそう。

 鑑賞すると、まだ中身の残っているドリンクのカップを持ったまんまエレベーターで一階に下り、隣接するビルに入っているドルビーシネマへと移動。思っていた以上にスムーズに到着したので、調理にやや時間のかかるフライドポテトを注文してなお、上映開始に間に合いました。
 本日2本目は《DCエクステンデッド・ユニヴァース》最新作、神の力を得た少年とその家族を、その力を奪われた神々からの復讐が襲うシャザム!~神々の怒り~(字幕・Dolby Cinema)』(Warner Bros.配給)。前作は吹替版の演出を福田雄一が担当、主人公を菅田将暉が吹き替える、という趣向があったので吹替版を選びましたが、今回は主役が宮野真守に、演出についても特に記載はなかったので、字幕版を選びました……宮野真守が嫌いなわけではなく、基本的に字幕派だからです。
 前作は好き放題に風呂敷を広げまくって終わったので、続篇でどう収拾をつけるのか、心配していた側面もあるのですが……それを更に広げる暴挙に出てる。
 中心となるビリー少年は、前作より成長を見せつつも相変わらずおバカで、子供っぽい発想でヒーロー活動に携わっているから、拠点とするフィラデルフィアでは一部からやたら忌み嫌われている。そして、その奔放ぶりが更に強大な存在を呼び寄せて――という構造で、どんどん事態が派手になっていきます。メインキャラの幼稚さを巧く活かして、荒唐無稽な展開を適度なユーモアに昇華して楽しませてくれる。
 神々の、強大な存在であるがゆえに人間を軽んじる思考を誇張して描くことで、人びとを守る“ヒーロー”とは何なのか、というテーマにきっちり踏み込んでおり、前作以上にヒーロー映画らしさを増している。やっぱり今回も大風呂敷を広げすぎて、もし続篇が実現するとして一体どうする気なのだ、とまたぞろ不安になりましたが、間違いなくこんどもシンプルに楽しい……ただ、《DCEU》がジェームズ・ガンをショウ・ランナーとして刷新されることが発表されて、第3作はだいぶ厳しい情勢らしい。『THE BATMAN』や『ジョーカー』が別次元としてシリーズ継続を許されてるんだから、本篇とか『ワンダーウーマン』とか、観客に受け入れられたシリーズも同様に残してあげていいんじゃなかろうか。

 ハシゴのあとは、久々にガード下のお店でカレーうどんをいただいてきました……いっそのことさっさと家に帰ってカップ麺で簡単に済ませる、というルートも考えてましたが、それだと空腹でへばりそうだったのです。大盛りにもせず、先にいたお客よりも早く食べ終わると、すぐさま帰宅。透析は休むことに決めたので、夕方近くまで仮眠するのでした……。

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