忘れもしない――いや正確な日付は覚えてなかったので確認しはしましたけど、とにかく昨年の10月16日、予めチケットを確保してあったにも拘わらず、台風の動きを読み違えて出かけられなくなり、映画鑑賞しそこねる、という出来事がありました。作品は新・午前十時の映画祭の1本、チケットは劇場側にお願いして後日受け取り、既にブルーレイでいちど鑑賞していたものなのでブログの肥やしにはならないとは言い条、大画面ではまだ観ていなかった作品なので、どーにも悔しさが残る。幸いにこの作品は、23区内でもう1箇所、映画祭に参加している楽天地シネマズ錦糸町では今週・来週の上映である、というのを知っていたので、だいぶ前からスケジュールに組み入れておき、本日意気揚々と足を運んだ次第。
……久しぶりに来ましたが、この劇場、どうも好きになれない。
ちょっと早めに到着してしまったのですが、この楽天地シネマズ錦糸町、作品の開場時間にならないとチケットを販売してくれない、という。複合施設の1階にチケットカウンターがあって、立地的に吹きさらしだというのに、寒空の下早めに足を運んだ客がしばし放り出される格好になる。いちおう劇場側に話を聞いたら、会場前は各劇場のなかがまだ準備が整っていないので……と言うんですが、スクリーン内の準備が整っていなくても、スクリーン前のロビーや内部の待合室なら少なくとも吹きさらしではないのですから、そこで待ってもらったほうがよっぽどまし。立地的に、年輩のお客が多いようなのにこういう配慮しか出来ない、というのがどーにも理解できない。別にお茶を出せとか言っているわけではないですし、ここは特に定員入れ替え制でもないのだからよけいに、意識して早めに来た客をあんまり邪険にしないほうがいいのではなかろうか。だいいち、いちばん早い作品はもうとっくに上映も始まっている時間なんですから。
映画を観終わって、さあ帰ろう、とエレベーターのところで待っていると、これが表示がまるでよく解らない。上のボタンを押して、上部の矢印が光ったと思ったら、ドアが開いたときには下向きの矢印が点いていたり、別のドアではそれと正反対の事象が発生していたり、と動きがまったく解らない。これはどっちかというとビルの整備の問題ですが、それにしてもあまり印象が良くない。この映画館、あんまり積極的に来たくはないです。
まあそれはさておき、3ヶ月前のリヴェンジ、とばかりに鑑賞したのは、ブルース・リー日本初紹介にして、あらゆるカンフー映画ブームの原点となったと言える記念碑的作品『燃えよドラゴン ディレクターズ・カット版』(Warner Bros.配給)。
初見の時にも思いましたけど、やっぱりいま観るとのんびりした作り。ストーリーは歪ですし、キャラクターもそれほど際立っているとは言えない。ただただ、ブルース・リーというアクション俳優の、類を見ない魅力だけで成り立っている作品。ブルース・リーの一挙手一投足が構成のアクション俳優や同種の映画のお手本となり、パロディの材料になっている、ということが、作品のインパクトを証明すると同時に、その存在をより大きなものにしている。肉体と肉体がぶつかり合うタイプのアクション映画を愛するなら、決して避けてはいけない作品なのは確かです。
映画館のサーヴィスに不満はあったものの、ようやくこの伝説の作品を大スクリーンで鑑賞出来たので、とりあえず納得。ワンシーンだけちらっと登場しているジャッキー・チェンの顔も、自宅で観るよりははっきり確かめられた――気がするので、満足でした。でもこの劇場にはあんまし来たくない。
そして気づけば、新・午前十時の映画祭も、観ていないのはあと4本となりました。4月にはもう第2回が始まる、とは言い条、やっぱりコンプリートを目標として、達成が近くなるとそれ相応の感慨があります。無事に達成できるよう……体調には注意しておこう……。
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