第27回東京国際映画祭、初鑑賞。

 今週木曜からスタートした第27回東京国際映画祭を訪れました……が、スケジュールが遅いものを選んでしまったため、帰宅は午前様。グロッキーで、パソコンを起動する気にもなれません。というわけで、詳しくは明日、落ち着いてから書きます。とりあえず、枠だけ用意しておくココロ。

TOHOシネマズ六本木ヒルズ入口階段のゲート部分に掲げられた大看板。 というわけでここからは翌日の追記です。

 色々と考えて押さえたチケットは5作分、そのうち2本は本日、六本木での2本立てにしてありました。夕食も現地で食べるつもりで、2本のあいだに余裕の出来るようスケジュールを組んであった、のですが。

 劇場に着き、上映スクリーンのある上階に上がろうとしたら、エスカレーターが異様に混雑している。どうも、誰かを撮影しているスタッフが動線を妨害しているらしい。撮影の一隊は、そのままエスカレーターを上がり、よりによって目当ての作品がかかっている5番スクリーンの前あたりで停滞してしまった。他の作品の上映終了後にチラシを配布していたらしい人々までが固まっていて、5番スクリーンへの移動が徹底して妨害されている。しょーがないから先にドリンクだけ買っておこう、とレジに赴いたら、“Closed”の札が出ていないレジにいるのに、なかなか店員が出てこない。イベントの日なのに。イベントの日なのに!

 到着後矢継ぎ早の不手際にまたぞろ怒りが爆発してしまいました――というより、そもそも東京国際映画祭の手際は昔からよくない。こと今年は、チケット購入時点でも酷い罠を仕掛けられていたので、責任者を捕まえてお説教してしまいました。お陰で1本目は観逃した、というよりもう観る気もなくなってしまってましたが、一応対策は講じて貰いましたし、指摘した問題も理解して貰えたようなので、本日1本目の鑑賞は諦め、しばらく周囲を散策することに。

テレビ朝日にパトレイバー。 結果として3時間ぐらい余ってしまったので、まーもてあますもてあます。テレビ朝日前の広場まで降りて、展示されている等身大パトレイバーを眺め、予定よりも早めにいつものうどん屋に寄って夕食を摂り、更にいつもは同じルートで向かっている劇場までの経路が他にないか調べたり、と色々時間潰しに苦慮しました。

 そしてようやく、本当は2本目だったはずの、私にとっては第27回東京国際映画祭の1本目となった作品の鑑賞です。前作『光にふれる』もこの映画祭で上映されていたチャン・ロンジー監督2013年の作品、少女の転落死を通報した3人の少年が、少女の死の理由を探るうちに経験する予想外の事態をサスペンス風に描いた青春ドラマ『共犯』(日本配給未定)

 ツイッターのほうですぐさまかんたんな感想をアップしましたが、これ、傑作だと思います。謎の複雑さ、というものはないんですが、その代わりに“学校”という閉じたコミュニティにおける少年少女たちの人間関係の厄介さを巧みにくみ上げ、実に味わい深い。定石を外れ、どんどん予想外の方向へと転がる物語に、どう着地するのか、とだんだん変な意味ではらはらするくらいでしたが、あえて何もかもを明白にしない、しかし登場人物への優しさのある結末を用意していて、余韻は悲しくも快い。現時点で日本公開は決まっていませんが、これは是非とも持ってきてほしい。

 上映終了後はチャン・ロンジー監督が登壇し、観客からの質問に応えてくれました。いちおうサスペンス的な趣向もあるので、ここの細かいところは省きますが、脚本の要請によって学校、図書館、裏山の湖を別々に見つけて同じところにあるかのように見せた工夫や、主要キャストに現役の高校生、かつ役柄に似たような背景を持っている人物をあえて選び、撮影に際して夏休み中だった学校の校舎に200人を超えるエキストラを投入して空気を出した、などかなりこだわって製作したことが窺える。次の作品でも東京に来たい、と仰言っていましたが、むしろ本篇の正式公開のキャンペーンで来て欲しいところです。

 到着早々のトラブルで苛立たされましたが、観られた作品が個人的には今年トップクラスのお気に入り作品だったので、大満足で帰宅……しかし、折しも時期はハロウィン、どこかでパーティを催していたようで、大量の仮装した人々のあいだを自転車で抜けるのは非常に骨が折れました。

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