何となく、新・午前十時の映画祭は月曜日に観に行くもの、というルールが自分の中で出来てしまいました……一番都合がつきやすいから、というのが大きいわけですが。
今回もそのつもりで、さっさとネットで押さえていたら、急に雨の予報が出た。実際、朝からぱらつき、時折止みはしたものの、出かけている時間帯はいちばん雨に降られる危険が高かった模様。とっとと割り切って、電車で移動して正解でした……もっとも、私の場合、電車賃を安く上げようとすると、降車駅からTOHOシネマズ日本橋までそこそこ歩くので、振り方次第ではどのみち濡れるんですけども。幸い、そこまで祟られはしなかった。
2週間入れ替えに戻って最初の1本は、1860年代のシャム(タイ王国)に家庭教師として招かれた女性と、王宮の人々との交流を描いたミュージカルの傑作『王様と私』(20世紀フォックス初公開時配給)。
同じクリエイターによる『サウンド・オブ・ミュージック』と比較するとボリューム、出来事のリンクの絶妙さにも乏しく、どうも物足りなく思われる出来。せっかく王宮を舞台にしているのに、俳優を重んじすぎて豪華さが充分に感じられないのも勿体ない。が、デボラ・カーの美しい歌声や、生涯の当たり役だったユル・ブリンナーの国王などはさすがに秀逸。実は、同じ話を純粋にドラマとして映画化した『アンナと王様』は何故か公開当時に劇場で観てたりするんですが、記憶から薄れていたので純粋に楽しめました。個人的にはもうひとつ、という印象ながら、確かに佇まいのある映画。
ちなみに本篇はもともとブロードウェイ・ミュージカルとして製作されたもので、本篇でも国王を演じたユル・ブリンナーは舞台でも最初からこの役を担当、最晩年まで舞台に立っていたらしい。そしてブリンナー亡き後も舞台は上演され、2015年には渡辺謙が同役で栄誉あるトニー賞候補に挙げられたのは記憶に新しい。そして、あまりに記憶に新しいがあまり、映画を鑑賞中ずーっとユル・ブリンナーに渡辺謙の顔が被って見えたのでした。普通に似てるんだよな声質も所作も。
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