今年最後、になるかどうか。

 新・午前十時の映画祭、年内に行われるプログラムの切り替えは先週土曜日を加えてあと2回。年末は他の予定が入ってきたり、混雑を避けて遅らせる場合もあるので、次のプログラムは年内に観ない可能性もある。まあ、予定に過ぎませんし、時期的に次を年内に定めれば、次がたぶん今年最後の映画鑑賞になる――1年のトリを飾るに相応しい作品ですので、あえて狙って鑑賞するかも知れませんが。

 何はともあれ、朝からTOHOシネマズ日本橋へ。新・午前十時の映画祭では今年最後の1本になるかも知れない作品は、メイベル・チャン監督、マギー・チャンミシェル・ヨー、ヴィヴィアン・ウーという国際的に活躍する女優たちが、大変革の時代に中国を動かした男達の妻となり、中国近代史に多大な影響を及ぼした三姉妹の姿を演じる歴史ドラマ宋家の三姉妹』(東宝東和配給)

 体調がいまひとつ芳しくなく、眠気と戦いながらの鑑賞でしたが、それでも耐えられる質の高さ。最初は先進的な父親の薫陶を同じように受けて育てられたはずの三姉妹が、成長し、それぞれ異なる人物と縁を持ったことで、時として仲違いをし、疎遠になりながらも、時折身を寄せて窮地をしのいでいく。孫文蒋介石、それに孔祥熙という中国史の重要人物に嫁いだ三姉妹から描かれる革命の展開は多彩で、受け止め方がひととおりではない。時代背景ゆえに当然のことではありますが、日本が最後には戦わねばならない敵として言及されているのに、あんまりそのことが気にならないのは、描き方が中立的で妥当だからだと思われます。というか、あの状況ではもっと早く日本と戦うべきだった、と心の底から思いますわ。そうしていたら中国の社会情勢はもっと違ったものになっていたはず。

 やや散漫とした印象もあるので、個人的にはまあまあかな、という手応えでしたが、厚みのある名作であるのは確か。そしてこれを、『ラストエンペラー』と揃えて上映したのは正しい判断だったと思います。中国近代史に少し詳しくなった気分が味わえる。

 鑑賞後は、久しぶりに神保町近くにあるラーメン屋で昼食を摂ってから帰宅。年がら年中近くを通って、立ち寄ろうかな、と思うのですが、常に混み合っているのでどーしても避けてしまうのです。久しぶりに食べられて嬉しい。

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