徹夜明けでも面白い。

 作業をどーしても一段落させたくて、今朝は6時近くまで頑張っておりました。泥のように眠り続けたいところですが、既にチケットを押さえてあったので、眠気をこらえて日本橋へ。折からの寒波でやたらと冷えますが、お陰でちょっとだけ目が覚めた。

 プログラムが切り替わった直後の月曜日に観に行くのはだいたい新・午前十時の映画祭作品です、私の場合は。今コマの作品は、ルイ・マル監督、殺人計画が些細なミスから想定外の破綻をしていく様をシニカルに、美しい映像で描き出したサスペンス死刑台のエレベーター』(映配初公開時配給)マイルス・デイヴィスが映像を観ながら即興で演奏したサウンドトラックでも有名な作品なので、1回は観ておきたかった。

 原作自体が未だに翻訳が市場に存在しているくらいですから、たぶんミステリとしてもよく出来てるんだろう、とは思ってましたが、本当によく出来てました。題名にあるエレベーターのなかだけで話が成立するはずもなく、外での展開が重要なのですが、その周到なプロットに唸らされます。様々な人間の奔放な行動が招いた運命の皮肉が、巧みな伏線によってラストのひと幕に結実する。随所に挿入されるジャンヌ・モローの表情をはじめ、美しい映像も印象的。私としてはマイルス・デイヴィスが関与していた事実のほうが大きかった印象なのですが、作品自体極めてクオリティが高かった。観ているあいだずーっと眠気と戦ってはいましたが、それでも充分に面白かった。

 鑑賞後、考えるのもめんどーなので、よく立ち寄る店で昼食を摂ると、すぐに帰宅して、18時近くまでほとんど沈むように眠っておりました……しかし2日連続の徹夜なので、完全に眠気は取れてません。すぐに次の作業にかかりたいところですが、今夜はだらだらと映画感想の準備をして過ごして、『深夜の馬鹿力』が終わったら眠ります――あの番組の放送時間くらいまでなら徹夜とは言わない私。

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