アカデミー賞発表前の(たぶん)最後の予習。

 観たかった作品がひとつ、今週来週でほぼ都内での上映が終了となります。少なくとも来週いっぱいは新宿ピカデリーでやっているようなのですが、時間があまりに早く、ナマケの虫が発動するとそれだけで観逃しかねないので、本日ユナイテッド・シネマ豊洲での唯一の、そして完全にここでは最後となる、20時50分からの上映回で観ることに。時間が遅いので、出来ればハシゴをするつもりでスケジュールを組んでみましたが、夕食を摂る時間が少々タイトになってしまうことに気づき、家でギリギリまで作業をしたあと、早めに現地入りして食事を摂る形に変更しました。ハシゴするつもりだった作品は、もう1回観てるしね。

 現地にてお腹をくちくしたあと鑑賞した作品は、スティーヴン・スピルバーグ監督最新作、東西冷戦の頃に分断されたベルリンに赴き、投獄されたスパイを交換する、という誰も試みたことのない“交渉”に民間人の立場で携わった弁護士の姿をスリリングに描き、アカデミー賞でも作品部門含む6部門にノミネートされているブリッジ・オブ・スパイ』(20世紀フォックス配給)

 最近のスピルバーグ作品ではエンタテインメントとしても優れている、という評価もあったのでかなり期待していた作品ですが、なるほど面白い。事実上、圧力によって押しつけられたソ連のスパイの弁護、という仕事に全力で臨んだ結果、世間から疎まれながらも、“依頼人”を救うことに努める男の、気取らない格好良さを、紆余曲折の豊かなプロットでサスペンス的に見せる手腕が素晴らしい。確かに極めて興味深い実話なんですが、アイディアとしてきちんと整理し、それを映画を熟知したコーエン兄弟が脚本レベルで味付けを加え、スピルバーグが端正に仕上げる。このスタッフならではの安心感で、2時間半近い尺ずーっと惹きこまれます。アカデミー賞では作品賞に挙がっているのに監督賞からは漏れている、という全体的に軽んじられがちなパターンに陥ってますが、賞レースでの評価は関係なしに、完成度が高く、純粋に面白い。

 上映時間が遅いので、当然ながら家に着く時間も遅い。帰ってから記事を用意したので、そりゃあこんな時間にもなろうものです。

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