『猟奇的な彼女』1回戦

 三朗は彼女に振られたその日、電車でもの凄い酔っ払い娘と遭遇する。お年寄りに席を譲らない若者をどやしつけたかと思うと、何と彼女は三朗の服に向かって盛大にリバースを仕掛けてきた。懸命に介抱し、ホテルでようやく寝かしつけたはいいが、窓口の男の誤解で連行され、翌日には講義の席に出没し……かくして、弱気な“彼”と、凶暴極まりない“彼女”の奇妙な物語は始まった……

 お? お? おおお? 意外といいぞ?!

 そもそも田中麗奈草なぎ剛という組み合わせは原作のイメージ通りだったのですが、これは想像以上に嵌り役。凶暴だけどひたすらキュート、というキャラクターを田中麗奈が完璧に体現してますし、草なぎなんかバラエティ番組で見せる顔そのまんま――ゆえに演技が巧いか否かにはあんまり関係がないんですが、しかし無理がないぶん違和感がありません

 原作の主要なエピソードをちゃんと取り込んで話を組み立てていて、いちいち想起させるエピソードがあるのが嬉しい。終盤の無茶な要求編で登場する撮影のシーンなど、きっともっと予算があったら近未来アクションにしたかったんだろうなー、と思わずニヤリとさせられます。

 三朗所属する研究室の面々とか、ラストで明らかになる設定とか、ちょっとつけすぎという気はしますが、しかしこの辺は『めぞん一刻』あたりで確立されたラブコメの基本を押さえて膨らませようとしていると好意的に受け止めてもいいでしょう。彼女があれだけ攻撃的な性格というだけで充分個性になっているし。

 というわけで、初回を観た印象は良好だったので、しばらくは追いかけることとしましょう。ちなみに原作を鑑賞した当時の感想はこちら。……そういや、ハリウッドリメイク版はいつ頃公開になるんだろーかねー。

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